宇宙作家クラブ
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No.1149 :Yマイナス0ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月15日(木)14時30分 投稿者 松浦晋也

15日午後1時30分からのYマイナス0ブリーフィングの内容です。

 出席者は、佐藤寿晃規格主任と、遠藤守ロケット主任。写真は、ブリーフィング後に記者の質問に答える遠藤主任。

 佐藤:昨日は休日だったので、ほとんど話す内容に変化はないが初めての人もいるのでもう一度最初から紹介する。

 2月10日に内部で先に進めていいかという確認を行い、OKということになって最終的な打ち上げ準備作業を開始した。13日に延期を決めたので14日は休日にして作業を行っていなかった。本日も日中は作業がほとんどない。

 軌道上の衝突解析も行い、問題がないことを確認し、午後1時41分からの10分間を打ち上げ時間帯として設定した。

 気象情報。昨日は種子島上空を昼頃に前線が通過して悪天候だった。現在は前線に向かって流れ込む風のため、種子島も風が強い。打ち上げ制約条件にひっかかるほどの強風が吹いている。

 明日は高気圧に覆われるが、大陸から次の前線が近づいてきている。晴れで午後から雲が出てくるという予報を出している。明日の打ち上げ時間帯の風速は4m程度。打ち上げには支障ない。ただし11号の時の延期要因だった氷結層が今回も発生するかどうかに注意している。
 氷結層の限界は「氷結層を含む雲の鉛直方向の厚みが1.8km以下」というもの。

 機体移動時の風速制限は、22.4m。昨日はこれを超える風速だった。

 機体コンフィギュレーションは基本的に9号機()と同じ。2024型は6機目。打ち上げに従事する作業者人数は総勢900名。うちJAXAが190名

 以下質疑応答。

鹿児島テレビ:今回の打ち上げで情報収集衛星の4機運用体制がやっと完成するわけだが、明日を控えた気持ちを聞きたい。
遠藤:我々当初は4機体制で国からの委託を受けて打ち上げを行ったが。6号機失敗で4機体制の実現が遅れた。明日の打ち上げを成功させることで6号機以降の目標がやっと達成できるということで、全員努力している。

鹿児島テレビ:氷結層の条件について。現状、明日はどうなると予測しているか。
佐藤:今のところ、大丈夫だろうと予測されているが、11号機の時も大丈夫と予測していて延期になった。現在2〜3日周期で天気が変わっている。

鹿児島読売テレビ:今回の打ち上げ費用は。
佐藤:ロケットは111億円。延期は1日3000万から6000万。衛星についてはその性質上答えられない。


鹿児島読売テレビ:今回コストダウンでなんらかの努力をしたのか。
遠藤:今年度打ち上げているロケットでは変えている部分はない。前回、前々回と同じ。
NHK:今日と明日の天候条件で問題になったのは風だけか。
佐藤:今日の風だと、打ち上げ準備を進めていても打ち上げられなかったろう。

NHK:風速の実測値は。
佐藤:今、瞬間風速で17から18mぐらい入っている。打ち上げ時の制約条件は14.5mなので、この風では打ち上げられない。

NHK:今日の作業はどんなことをしているのか。衛星の補充電などしているのか。
佐藤:今日は片づけ程度。補充電はしているはず。

南日本新聞:衛星打ち上げの正否を判断する材料は、どんな形で提供されるのか。
佐藤:両方の衛星が確実に分離したところで正否判断をする。打ち上げ後記者会見については、所定の軌道に投入されたところまで確認してから開催する。

 以上です


No.1146 :12号機のマーク ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月14日(水)23時51分 投稿者 松浦晋也

 射点トップの表示は12号機のものになっていました。


No.1145 :今日の射点 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月14日(水)23時50分 投稿者 松浦晋也

 今日の射点です。12月の11号機、ブースター4本の204型を打ち上げた時に焦げた部分がそのままになっています。


No.1144 :No.1143 :「打ち上げ準備作業はすでに終わりました」の訂正
投稿日 2007年2月14日(水)19時26分 投稿者 松浦晋也

フェアリングに関する記述が混乱していました。今回の打ち上げで使用されるのはデュアルローンチ用の4Dフェアリングです。

 以下訂正して、再掲載します。前投稿は削除します


No.1143 :打ち上げ準備作業はすでに終わりました
投稿日 2007年2月14日(水)15時27分 投稿者 松浦晋也

 種子島からH-IIAロケット12号機の現場中継を開始します。

 本日午後1時半からYマイナス1ブリーフィングがあったのですが、間に合いませんでした。ブリーフィング資料から、今回の打ち上げ概要をまとめます。


 打ち上げコンフィギュレーションは、4本の補助ロケットブースターを装着した2024型です。衛星フェアリングは2機打ち上げ用の4D型です。

これまでの作業

2月12日
 ロケット推進系作業、電気系作業、火工品結線、2段ガスジェット推進薬充填

2月13日
 電波系統点検、推進系最終クローズアウト、機体アーミング
 機構系:アンビリカル離脱系最終準備
 射座:貯蔵所系設備準備

 すでに、打ち上げ準備はほぼ完全に終わっています。本日および明日日中は休養日となっています。明日15日夜から、機体移動を手始めに打ち上げ作業が始まります。


 打ち上げ時間帯は13時41分〜51分。衛星が午後1時半の太陽同期極軌道に入るためと思われます。


打ち上げ日の天気
2月16日
 北北西の風のち東南東の風4〜6mのち6〜8m晴れのち曇り

 予報としては打ち上げに支障はありません。ただし雷雲が射場付近に出るかどうかが、不確定要素として残っています。

 週間予報では17日以降再度天気が崩れ、回復は19日以降となっているので、打ち上げ隊としても16日に打ち上げたいと考えているようです。

今回は打ち上げシーケンスが出ました。といっても通常の2024型のシーケンスと代わりありません。

Xマイナス60分 Xマイナス60ターミナルカウントダウン開始
Xマイナス20分頃 風観測データに基づく飛行プログラムの更新
Xマイナス10分 Xマイナス10分ターミナルカウントダウン開始
Xマイナス480秒 秒読み開始
Xマイナス400秒 自動カウントダウン開始可ON(各系統で開始を確認)
Xマイナス280秒 自動カウントダウン発令ON(指揮者が確認)
Xマイナス270秒 自動カウントダウン開始
Xマイナス260秒 タンク加圧開始
Xマイナス180秒 電源を搭載電池に切り替え
Xマイナス80秒 発射台トーチ点火、注水開始
Xマイナス30秒 セーフアーム(火工品誤動作防止)装置作動
Xマイナス18秒 誘導制御系飛行モードに切り替え
Xマイナス15秒 ブースターノズル駆動用電池軌道(Xマイナス6秒で動作確認)
Xマイナス11.7秒 エンジンからの水素ガス処理用トーチ点火
Xマイナス4.7秒 エンジン点火
Xマイナス0秒 ブースター点火 リフトオフ


 打ち上げシーケンスについては非公開となっています。衛星軌道が推定されるためと思われます。

No.1142 :宣伝:2月10日(土曜日)、ロフトプラスワンのライブトークに出演します
投稿日 2007年2月7日(水)01時53分 投稿者 松浦晋也

 ロフトプラスワンで、小惑星探査機「はやぶさ」関係者の話を聞くシリーズ。今回は、科学観測を担当した科学者達に、小惑星イトカワがどんなところだったのか、はやぶさの観測でどんなことが分かり、どんな謎が新たに生じたのかをお聞きします。

 なお、当初は吉川真さん(JAXA/ISAS)が出演の予定でしたが、都合のため中村良介さん(産総研)に変更となりました。ご了承ください。


宇宙作家クラブpresents
ロケットまつりスペシャル 「はやぶさは見た」
2005年の9月から10月にかけて、小惑星イトカワに到着した「はやぶさ」は、様々な科学観測を行った。イトカワはどんな場所だったのか、何が分かり、どんな謎が残されたのか。
「はやぶさライブ」第三弾は、惑星科学者達が解説する「はやぶさ」の科学観測成果です。
【出演】安部正真(JAXA/ISAS)、中村良介(産業技術総合研究所)、平田成(会津大学)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)ほか

ロフトプラスワン
新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864
地図

Open18:00/Start19:00
¥1200(飲食別)

No.1141 :広告:小松左京トークイベント「小松左京の宇宙」
投稿日 2007年1月20日(土)16時03分 投稿者 笹本祐一

イベント告知です。

ディナートークショー「小松左京の宇宙」のお知らせ

2005年秋・2006年夏と新宿のロフトプラスワンで小松左京先生のトークライブを開催され、好評を博しました。
このトークライブを企画した宇宙作家クラブと小松左京先生が顧問になっているDAICON7により、小松先生の地元大阪にてディナートークショーを実施いたします。

出演予定者:(敬称略、順不同)小松左京 乙部順子 松浦晋也 笹本祐一 ほか交渉中

日時:2007(平成19)年 3月31日(土) 17:30開場 18:00開演 (入場は受付け番号順です)
会場 カフェレストラン Girasole 大阪府吹田市江坂町1-18-2
   http://www.rest-girasole.jp/
申込方法:ホームページから申し込み
参加費:5,000円 (食事・飲み物つき) 当日受付にてお支払いください。
定員:80名(先着順)
主催:第47回日本SF大会(DAICON7)実行委員会
協力:株式会社イオ 宇宙作家クラブ


 今回、関西での開催ということで宇宙作家クラブの関西方面の人材にゲスト交渉をしています。
 よろしくお願いします。

No.1140 :種子島ゴールデンラズベリー賞 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月21日(木)01時16分 投稿者 SAC種子島取材班

 さて、ロケット打ち上げが終わると、楽しい種子島ゴールデンラズベリー賞の時間である。

 とはいえ、取材側の態度と知識は年々向上しており、今回もあらためて賞を進呈せずにはおれないナイスな質問は出てこなかった。とてもいいことだ。

 中には「機体移動を待つプレス用観覧席で、修学旅行中の興奮した中学生のようにはしゃぎまくっていた某地方放送局ニュース番組クルー」なんてのもいたことはいたが、まあよしとしよう。

 そこで、今回は「ラズベリーの危機を救った素晴らしい技術者」に掛け値なしの称賛と共に特別賞を進呈したい。

 「きくはちぞうのマスコット人形を作った人」である。

 今回打ち上げられた技術試験衛星「きく8号」のマスコットキャラ「きくはちぞう」。そのデザインは広告会社が「ま、官公庁関連のマスコットキャラはこんなもんだろ」とばかりにクライアントに提出したと思しき、およそ個性や毒といったものが感じられない微温的なものであった。
 正直SAC会員の間では、思い切り不評であった。「あのデザインこそラズベリーものですね」などと言われたほどである。

 しかし、ストリーミング放送などに登場したマスコット人形は違った。

 実物は種子島のプレスセンターにも展示されたが、実に細かいところまで神経の行き届いた作りだった。アンテナを模した耳には展開するフレームを模したスティッチが施され、顔の表情もマジックその他で書き込まれたのではなく、すべて手で刺繍されたものだった。胸の8の文字の縁取り、広報の腕章も刺繍で作られており、しかも紙粘土製と思しきJAXAヘルメットは、凝ったマーキングがきちんと書き込まれていた。

 何よりも口元周りの微妙な表情は、オリジナルのデザインを超えたものであった。

 このマスコット人形によって、ダメっぽく、ラズベリーものの「きくはちぞう」デザインは、見事に救われたのである。

 その、国際救助隊並の人形作成の手腕に、我々は大いなる敬意を払い、ここに特別賞を進呈する。願わくば、今後打ち上げられる各種衛星において、ダメっぽいマスコットキャラが使われることになった時も、その腕前を発揮して頂きたいと切望するものである。

 おめでとうございます。


No.1139 :成功記者会見第二部 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)20時28分 投稿者 松浦晋也、柴田孔明

 午後5時45分からの、記者会見第二部の様子です。

 写真撮影:牧野知弘

 出席者は、佐藤寿晃種子島宇宙センター技術課長、H-IIAプロジェクト・マネージャー遠藤守(ロケット主任) ETS-VIIIプロマネ、辻畑昭夫(衛星主任)、総務省宇宙通信政策課・松沢一砂課長補佐、情報通信研究機構・宇宙通信ネットワークグループの田中正人。


東京事務所から
 JAXA衛星利用推進センター 深野木浩和、NTT衛星通信システムグループの大幡浩平

筑波宇宙センターから
 JAXA追跡ネットワーク主任 中原潤二郎

松沢:今回の成功が大変嬉しくおもうとコメント。
 今回の実験についてアナウンス。
 小型端末の利用促進など新たにきく8号利用実験を募集する。来年2月〜3月に募集を行う。

田中:今回の打ち上げ成功に際して、JAXA及び関係者の皆様に感謝したい。我々は移動体通信実験と、高精度時刻比較実験の2つで計画に参加している。前者は300g程度の携帯端末で移動体衛星通信を行う試験。後者はGPS衛星に搭載しているのと同じ高精度の時計を衛星に搭載して地上と時刻を比較する実験。測位の基本技術を習得する

鹿児島テレビ:辻畑主任に。今のお気持ちは。

辻畑:感情が高ぶりました。非常に感動しました。絶対に静止軌道にもっていくんだと思っています。衛星バスは世界最先端を狙ったものだので、他の衛星を開発する基準技術としたい。実際、この衛星バスはMTSAT-2に使われた実績があり、準天頂衛星に使われることになっている。
 高精度時刻比較実験の衛星搭載の高精度時計技術も日米しか保有していない。また、大型展開アンテナ技術も日米しか持っていない。きちんと展開して今後につなげていきたい。

産経新聞:遠藤主任に。今まで信頼性向上に努めてきたが、これまでのなにが成功に繋がったのか。

遠藤:信頼性向上は継続的にデータを見ていく積み重ねだ。これまでの取り組みが積み重なって、今回の打ち上げは非常にスムーズに行った。だからこれで安心というわけではなく、我々にはまだ改善を図るべきことが残されていると感じている。
 例えば第1段長ノズル化は8号機以降で3回使うことができた。しかし液体酸素ターボポンプのキャビテーションの問題は未解決だ。打ち上げに問題があるわけではないが、非常にきっちりと運転条件を出さなくてはならない。来年度に新しいターボポンプの設計を確定させたい。またLE-5Bの振動燃焼についても新しい設計を確定し、今年度末に試験に持ち込むところだ。
 SRB-Aのノズル浸食も今年の実機大燃焼試験でやっと原因を確定できたと考えている。
 こういったところで引き続き信頼性を向上させていきたい。

NHK:遠藤主任へ。ブースター4本の打ち上げが成功したことへのコメントがほしい。年明けには12号機が控えているが、意気込みというかコメントを。

遠藤:ブースター4本化の意味は、実績のある技術を組み合わせて衛星を打ち上げる能力を出すということがすべて。本日うまく働いてくれたということです。実績を着々と積み重ねていくということです。11号機が成功しないと12号機はない。我々は打ち上げを託されているわけで、11号機はそれでおわるものではなく、12号機につながっている。引き続き気を引き締めて取り組んでいきたい。

東京事務所から

時事通信:遠藤さんに。これだけ大きなロケットが上がったことについて個人的感想を。

遠藤:私は入社した1976年に打ち上げていたN-Iロケットの模型が種子島の宇宙開発展示館にある。入社した時には大きく見えたロケットが小さく見えるなあ、と同僚とロケットの周りをぐるぐる回りました。
 ようやっとH-IIAで、世界と互角の使い切りロケットをこの30年をかけてやっとものにできたなということだなと思っている。まだやるべきことは沢山あるが、当初のアメリカからの技術導入を考えると感慨深いものがあります。

種子島にマイクもどる。

西日本新聞:東京の深野木さんに。きく8号はアジア地域でも使えるということだが、どのあたりのアジアか。また国際協力についてどう考えているのか。

深野木:この衛星は基本日本で使うが、外部アンテナを使えば韓国、中国でもつかうことができる。平成15年の公募に、中国から実験に一件公募があり、実験を行うことが決まっている。ただし災害救助でアジア地域で機動的に使うには衛星の仕様として厳しいところがあり、国内が中心になると考えている。

松沢:総務省として海外からの参加を拒むつもりはなく幅広く利用して欲しいと考えている。

南日本新聞:遠藤さんに。打ち上げ作業はスムーズだったというが、実際に発生したトラブル件数が知りたい。
辻畑さんに、アンテナ展開が分かる時刻を知りたい。
東京の大幡さんに。民間企業として、大型衛星通信サービスはどの程度可能性があるのか。

遠藤:軽微なものを含めるなら、件数はすぐには答えられない。主要なものとしては、極低温試験での冷却水注水装置で起きた1件、ロケット本体ではバルブからのリークが1件。合計2件。

辻畑:今後の運用によって時刻はずれるかもしれないが、25日16時から初めて2面展開を終了するのが夜12時となる。

大幡:我々はビジネスに直接つなげるためにこのプロジェクトに参加しているわけではない。我々は平成8年から計画に参加しておりそのときにくらべると状況は変化している。ビジネスにすぐつながるかというと難しい。今後低コスト化を考えていくことがビジネス化に重要である。

朝日新聞:アンテナ展開終了後、結果はいつごろ公表してもらえるのか。発表は午前3時という理由は。また画像は公表するのか。

辻畑:3時間をかけて各種テレメトリーデータを確認したいと考えている。画像は撮影しているが、この時に公表できるかどうかは不明。

東京事務所から。

東京新聞:今後民間移管でやらなければいけないことはなにか。

遠藤:すでに段階的に三菱重工への移管を進めている。セレーネ打ち上げではも三菱と契約を結んでいる。H-IIAロケットはまだ完成しているわけではなく、信頼性向上の取り組みは我々が継続してすすめる。また、安全確保の業務は我々がやることになっている。これらがあって、初めて確実な定常運用ができると考えている。

以上です。


No.1138 :成功記者会見第一部 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)20時25分 投稿者 松浦晋也,

 午後5時10分からの成功を受けての記者会見の様子です。

 まず第一部。

 出席者は、河内山治朗理事(打ち上げ実施責任者)、立川敬二理事長、板谷憲次文部科学大臣官房審議官(研究開発局担当)、松尾弘毅宇宙開発委員会委員長代理。この他、筑波宇宙センターから堀川康理事(追跡管制実施責任者)。

立川:今回のH-IIA最大のミッションは、204の最初の打ち上げを行ったことだ。これによりH-IIAはすべてのラインナップがそろい、三菱重工への民間移転の準備が整った。

河内山:(打ち上げ経緯の説明、省略)。 SRB分離について2秒、2段については4秒程度予定したシーケンスからの遅れがあるが、軌道には正しく投入された。
 非常に精度のよい狙った軌道に投入することができた。

板谷:文部科学大臣談話を読み上げ(省略)。過去最大のH-IIAが成功した。日本の宇宙開発利用が着実に進展しているということ。これにより民間移管に必要な技術がすべて実証された。今後も重要な衛星の打ち上げがひかえている。最善を尽くしてもらえるよう要望している。

松尾;井口宇宙開発委員長のコメント代読(省略)。今のところロケットは順調に行きましたが、この後に衛星の運用が控えている。運用を楽しんで貰いたいと思う。

堀川:衛星は順調。太陽電池パドルの展開も順調に行われ、現在は太陽指向の姿勢を確立している。明日早朝のパス(可視時間帯)から始まるアポジキック(遠地点噴射、ETS-VIIIは4回の遠地点噴射で静止軌道に投入する)にそなえているところ。

鹿児島テレビ:立川理事長と河内山理事にコメントをお願いしたい。

立川:今年は4機を打ち上げ、すべて成功させた。ほっとしている。今回は比較的スムーズに打ち上げられたのではないかと思う。不具合がほとんどなく、心配もしなかった。これですべてのH-IIAの構成を打ち上げたので、一つ終わったかなという感じだ。

河内山:民間移管への技術の実証ができた。この次の12号機も成功させたい。よろしくお願いします。

NHK:SRB-A4本の打ち上げ成功は、H-IIBの開発に弾みがつくのではないか。

立川:ブースター4本装着が実証された。今後とも着実に開発を行っていく。

NHK:立川理事長に。H-IIAは20機打ち上げる必要があると、前に言っていたが、これで11機成功した。コメントを。

立川:同じ機種を20機打ち上げて一人前。H-IIAは一回失敗しているので、あと9回は成功させてやっと95%の成功率。あと9回連続で成功すれば世界レベルとなる。三菱重工には使命感をもってやってもらいたい。
 常日頃から着実に作業をして愚直なまでにやってきた。この精神を三菱重工にも引き継いで貰いたい。日本のH-IIA20機打ち上げを早期に達成したい。未完移管後も安全安全にはJAXAも関わる。ご支援をいただきたい。


西日本新聞 H-IIA、M-Vまとめて今年の総括を。

立川:今年は6機打ち上げた。これは日本にしては画期的だが、初外国では大したことではない。ロシアは年間30機〜50機も打ち上げている。開発から実用化への段階に入ったのだなと考えている。ロケットは衛星を打ち上げることが本来の役割。我々としては皆さんの生活を助ける新しい衛星を打ち上げて新たな利便を提供することだと思う。
 今年はいい年だった。

日経新聞:試作品で一度失敗している大型アンテナの展開だが、その意義と意気込みを。

堀川:おっしゃるとおり最初の実験モデルはアリアンで打ち上げた上げたところ展開に失敗した。しかし今年10月に実施した2回目の実験では展開させることができた。今回のアンテナも無事展開できると思う。
 今回の衛星は実験衛星だが、成功すれば今後は商業大型移動体通信衛星につなげることができると思う。

立川:我々は同じ失敗は繰り返さないという意志で事を進めている。

東京事務所にマイクが回る。質問なし。
筑波にマイク回る。記者は帰ってしまっており、すでにいない。ちょっと笑いが起きる。

種子島にマイク回る。

読売新聞:国として民間移管後どうやってロケットを育成していくのか。

板谷:宇宙輸送系は国家の基幹技術だ。ロケットは打ち上げを成功させることで信頼性を向上させることができる。

南日本新聞:立川理事長は早期に20回打ち上げて1機失敗19回成功という実績を達成したいとしている。しかし今後の予定を見ると来年度は2機、再来年は1機と数が減っていく。20機を何年度までに達成したいと考えているのだろうか。

立川:できるだけ早期にだ。このところ在庫一掃をしすぎたので、来年再来年は確かに減っている。
 現在11機成功であと9機。単純計算では年3機3年で9機だが、来年、再来年で実現というわけにはいかないだろう。
 そのあたりは予算次第ではあるが現在は3年後4年後の衛星を現在仕込んでいる。だから、それ以降は年間3機程度を官需で打ち上げられるだろう。これに三菱重工が年間1機を受注できれば、年4機ということになる。
 とにかくなるべく早く20機を打ち上げて国際標準の成功率95%という実績を作りたい。

以上です


No.1135 :冬の空の彼方へ ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)16時12分 投稿者 松浦晋也

 冬の青空に浮かんだ白い雲の中へ、ロケットは消えていった。


No.1134 :上昇 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)16時11分 投稿者 松浦晋也

 撮影:高橋信久


No.1133 :打ち上げは成功しました ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)16時01分 投稿者 松浦晋也

 第2段第2回燃焼終了。きく8号は無事分離されました。

 打ち上げは成功しました。

 写真撮影:柴田孔明


No.1132 :火事発生?
投稿日 2006年12月18日(月)15時56分 投稿者 松浦晋也

 打ち上げ直後から、射点が黒煙を上げています。火災のようです。打ち上げ後25分が経っていますが、まだ鎮火していない模様。

 ロケットは第2段の第2回燃焼開始しました。燃焼は正常です。

No.1131 :リフトオフ! ●添付画像ファイル
投稿日 2006年12月18日(月)15時52分 投稿者 松浦晋也

 H-IIA204は4本のブースターから炎を吹き出し、上昇していきました。

 クリスマス局での追尾が始まりました。


No.1130 :飛行は正常
投稿日 2006年12月18日(月)15時45分 投稿者 松浦晋也

 午後3時32分、H-IIAロケット11号機は無事に打ち上げられました。第1回の第二段エンジン燃焼までを正常にこなしました。