宇宙作家クラブ
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No.417 :ティトー宇宙観光旅行に出発
投稿日 2001年4月28日(土)16時46分 投稿者 江藤 巌

 初めての宇宙観光旅行者デニス・ティトーら3人を乗せたソユースTM-32は、日本時間午後4時37分にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングがいつになるか、いまの時点では不明である。

No.416 :2001年宇宙観光の旅
投稿日 2001年4月28日(土)15時53分 投稿者 江藤 巌

アメリカ人実業家デニス・ティトー(60歳)が、いよいよ宇宙観光旅行に飛び立つことになった。料金2000万ドルの最も高価で豪勢な個人旅行である。
 ティトーとロシアの宇宙飛行士タルガト・A・ムサバイェフユーリー・M・バチューリンの乗るソユースTM-32(ソユース2)は、日本時間の28日の午後4時37分にカザフスタン共和国のバイコヌール基地から打ち上げられて、国際宇宙ステーション(ISS)に向かう予定である。乗員3人はすでにソユースTM-32に乗り組んで打上げを待っている。
スペースシャトル・エンデヴァーのSTS-100/ISSフライト6Aミッションが計画より1〜2日延期されて、ISSとのドッキング解除がアメリカ中部夏時間29日朝(日本時間30日深夜)あるいはそれより丸1日後になりそうなため、NASAではロシア側にソユースTM-32の打上げ延期を求めていた。
シャトルとソユースTMとはISSのドッキングする個所は違っているが、2機の有人宇宙機を同時にドッキングさせるのには管制上の問題もあり、リスクを伴うことは間違いない。
しかしロシア側にはソユースTM-32の打上げ日程を変更する気はなく、結局NASAとの協議で、エンデヴァーのドッキング解除が延期された場合にはソユースTM-32を軌道上で待機させ、2機を同時にはドッキングさせないとロシア側が確約することで妥協が成立した。
 ティトーら3人は、ソユースTM-32をISSに残して、現在ISSにドッキングしているソユースTM-31(ソユース1)に乗って5月5日に帰還する予定になっている。このミッションは、本来は軌道上での耐久期限が近づいたソユースTM-31を新しいソユースTMと交換するためのもので、それにティトーがロシア宇宙当局に自腹を切って金を支払って便乗する形になる。
NASAプレス・リリース
SpaceRefティトー・ミッション特報
SpaceRef
SpaceRef
Space.com
CNN
FLORIDA TODAY
FLORIDA TODAY

No.415 :ISSのコンピューター異常続く他
投稿日 2001年4月27日(金)10時40分 投稿者 江藤 巌

・ISSのコンピューター異常続く
 国際宇宙ステーション(ISS)のコンピューターの異常はまだ完全には修復されておらず、地上からではISSの3台のコマンド・コンピューターとアクセスできない状態にある。ISSと地上との交信は断絶状態で、宇宙飛行士と地上との交信はISSとドッキングしているスペースシャトル・エンデヴァーを介して行っている。
ISS内部に持ち込まれているハンドヘルド・コンピューターからはコマンド・コンピューターに一部アクセス出来るが、指令を送ってもコマンド・コンピューター側がまだ応答しない場合がある。
ただしISSの自動機能は損なわれてはおらず、姿勢制御や太陽電池パネルを光の方向に向けるなどの制御は自動的に遂行されている。
 この異常のためISSに取り付けたばかりのロボット・アーム(カナダーム2)のテストが遂行出来ず、カナダーム2を載せて来たパレットをエンデヴァー側のロボット・アームに引き渡す作業も途中で停まったままである。
 ISSの通信確保にエンデヴァーが欠かせない状態であるため、エンデヴァーとISSとのドッキング解除はコンピューターのトラブルが解消されるまで延期されることになろう。
また28日に予定されているカザフスタンからのソユースTM-32の打上げも延期されるか、アメリカ人実業家デニス・ティトーのTM-32同乗が延期を求められることになるかもしれない。もっともロシア側はいまさらティトーの飛行延期を認めそうもない情勢である。
NASA STS-100ステイタス・リポート
NASA ISSステイタス・リポート
Space.com
FLORIDA TODAY
CNN
YAHOO!News
YAHOO!News
YAHOO!News
SpaceDaily

・ESAがクールーからソユース打上げか
 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、ロシアのソユース打ち上げ機をフランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターから打ち上げることを検討している。
ギアナは赤道のほぼ真下にあり、東行する衛星の打上げ場所としては最適の位置にある。
ESAと協力関係にあるアリアンスペース社は、ロシアとの合弁会社スターセムソユースを国際的にマーケッティングしている。
SpaceDaily

No.414 :ISSのコンピューターに異常発生他
投稿日 2001年4月26日(木)09時58分 投稿者 江藤 巌

・ISSのコンピューターに異常発生
 国際宇宙ステーション(ISS)のメイン・コンピューターにデータを送っているサーバーに異常が発生して、ISSと地上との通信が一時断絶した。
異常のいまのところ原因は不明で、メイン・コンピューター自体は機能しているが、サーバーのファイルにアクセス出来ない状態である。このためISSに新しく据え付けられたSSRMS(ロボット・アーム)のテストや、ドッキング中のスペースシャトル・エンデヴァーによるISSの軌道引き上げ(リブースト)などが行えなくなっている。
 コンピューターの異常がこのまま続けば、28日に予定されているソユースTM-32の打上げも延期されることになる。ソユースTM-32には、アメリカ人実業家デニス・ティトーが初めての宇宙観光旅行のため搭乗する予定になっている。
Space.com
FLORIDA TODAY
CNN
SpaceDaily

・日本の航空宇宙7社で衛星打上げ会社設立
 4月26日付の日本経済新聞は、石川島播磨重工業(IHI)、アイ・エイチ・アイ・エアロスペース、川崎重工業、富士重工業、日本航空電子工業、三菱商事、国際倉庫の航空宇宙関連7社が、衛星打上げサービスの新会社ギャラクシーエクスプレスを設立したと報道した。資本金1億円、本社東京都港区。
ギャラクシーエクスプレスは今後約五百億円を掛けて小型ロケットを開発し、国際的に中小型衛星の打上げサービスを提供して行く。同社にはロッキード・マーティン社も参加すると見られる。
 このロケットは「Cロケット」と呼ばれ、IHIが中心となって宇宙開発事業団のために開発している「先端技術実証ロケット」(J-1改良型ロケット)がベースとなる。先端技術実証ロケットは、第1段の弾体にはロッキード・マーティン社のアトラスを流用し、第1段のエンジンはロシアのNK-33を用いてコストダウンと信頼性向上を図っている。第2段にはIHIが独自開発した液化天然ガス(LNG)燃料の推力97kNのロケット・エンジンが用いられる。

・マーズ・オディッシーが地球を撮影
 月日に打ち上げられたNASAの火星探査機”2001マーズ・オディッシー”が、火星へ向かうコースの途中で振り返って赤外線カメラ(Thermal Emission Imaging System)地球の画像を撮影した。
NASAニュース・リリース

No.413 :ISSへのアーム取り付け完了
投稿日 2001年4月25日(水)16時54分 投稿者 江藤 巌

・ISSにロボット・アーム取り付け
 国際宇宙ステーション(ISS)と21日にドッキングしたスペースシャトル・エンデヴァーは、飛行4日目の22日にはISSにSSRMS(Space Station Remote Manipulator System)、いわゆるロボット・アーム(カナダーム2)を取り付ける作業を行った。ハドフィールドとパラジンスキーの二人のミッション・スペシャリストがエンデヴァーの機外に出て、機内の宇宙飛行士と協力して取り付け作業を行った。ハドフィールドはカナダ人として初めてEVA(機外活動)を遂行した。
 SSRMSはエンデヴァーのペイロード・ベイに、四つ折りにされてSLP(Spacelab Pallet)に載せられて搭載されている。ISSへの取り付けでは、SLPごとエンデヴァーのロボット・アーム(カナダーム)で持ち上げて、デスティニー・モジュールの上の台座(Lab Cradle Assembly)に据え付けた。
続いてハドフィールドとパラジンスキーの二人がパレットと台座の間の電気配線を結合し、SSRMSのアームを延ばして固定した。
 SSRMSは中央に関節を持つV字形をしており、両端に結合部があるので、どちらかの端をISS側に固定すれば、反対側の端で物を掴んで移動させることが出来る。また尺取り虫のように交互に端でISSを掴んで、ISSの回りを移動することも出来る。ISSに固定されていない端には、SSDM(Special Purpose Dexterous Manipulator)が付く。将来はISSに取り付けられたレール上を移動する台座(Mobile Base System)が取り付けられて、さらに迅速に移動できるようになる。
 シャトルのアームとISS用アーム(SSRMS)との比較。SSRMSは7自由度の関節を持ち、シャトルのアームよりも自由度が一つ大きい。
 ハドフィールドとパラジンスキーはSSRMSの取り付けの他にも、デスティニーへのUHFアンテナの取り付けを行った。取り付け完了後のISSの形態
 飛行5日目の23日には、エンデヴァーのペイロード・ベイからラファエロ多目的補給モジュール(MultiーPurpose Logistic Module)が持ち上げられて、デスティニーとドッキングした。ラファエロはISSに運び込む実験ラックや食料、衣類などの補給品を搭載している。
 またSSRMSのアームの片端がデスティニーの固定部(Power and Data Grapple Fixture)を掴んで、これでSSRMSのISSへの取り付けが完了した。
 24日にはハドフィールドとパラジンスキーが二度目の機外活動(EVA2)を行い、SSRMSの配線を繋ぎ換えた。SSRMSとの結合を離れたSLPは、SSRMSが動かす最初の荷物としてペイロード・ベイへ戻された。また二人はこれまで使われていた通信アンテナをユニティ・ノードから取り外した。
 SSRMS取り付けと2回のEVAが無事終了したことでエンデヴァーのSTS-100/ISSフライト6Aミッションは峠を越し、あとは主な作業はラファエロからの物資のISSへの搬入と、地球へ持ち帰る不用品のラファエロへの積み込みだけとなった。
 エンデヴァーはアメリカ東部夏時間4月28日1235時(日本時間29日0135時)にISSとのドッキングを解除し、30日1000時(同日2300時)にケネディ宇宙センター(KSC)に着陸する予定。
FLORIDA TODAYミッション速報
CNN
SpaceDaily

宇宙観光の将来?
 NASAミッション・コントロール部内で配布されたマンガ。
Space.com

No.412 :宇宙観光旅行本決まり他
投稿日 2001年4月25日(水)14時39分 投稿者 江藤 巌

・ティトーの宇宙観光本決まり
 アメリカの実業家デニス・ティトーのISS訪問が本決まりとなった。
ティトーのロシアのソユース搭乗に反対していたNASAは、ティトーが主にロシア側のモジュール内で活動すること、万一の事故の際にもティトーが賠償権を放棄すること、反対にティトーがISSに損害を与えた場合には自腹で賠償することなどを条件に、今月28日のティトーの乗ったソユース打上げを了承することになった。もっとも強硬に反対していたNASAが異議を取り下げたことで、ヨーロッパ宇宙機間(ESA)やカナダ、日本など他の参加国もティトーの飛行に反対はしないことになるだろう。
 ティトー(60歳)は元宇宙技術者で、自分の財産約2000万ドルをロシア側に支払って、ソユースTM-32の席を買った。
NASA・ロスアヴィアコスモス了解事項
SpaceRef
Space.com
Space.com
Space.com
SpaceDaily
SpaceDaily
FLORIDA TODAY
YAHOO!News
TIME.com
米J・センセンブレナー下院議員のNASA批判声明
NSS
YAHOO!News
SpaceflightNow
MSNBC
BBC
CNN

・デイヴ・ウォーカー元宇宙飛行士死去
 NASAの宇宙飛行士デイヴィッド・M・ウォーカーが、23日にヒューストンの病院で癌で死去した。享年56。
 ウォーカーは1944年ジョージア州コロンバスの生まれ。海軍のテスト・パイロットから、1978年にNASAの通算第8期、スペースシャトルの時代になってから最初の宇宙飛行士35人の一人に選ばれた。1984年にシャトル・ミッション51Aのパイロットとして初めて宇宙に出て、1989年のSTS-30では機長に昇格した。STS-53(1992年)、STS-69(1995年)で機長を務めた後、1996年にNASAを退職して民間企業に入った。4回の宇宙飛行の合計飛行時間は724時間になる。
NASAニューズ
全米宇宙協会(NSS)の追悼記事
Space.com
CNN

・イタリアがISSの居住モジュール製作
 NASAとイタリア宇宙局(ASI)は19日に協定を取り交わし、国際宇宙ステーションの居住モジュールをイタリアで製作することで基本的に合意した。 ISSの居住モジュール(Habitation Module)はアメリカの製作分担であったが、ISS計画のコストが見積もりを大幅に超過することが明らかになったため、NASAではモジュールの製作を放棄しようとしていた。ASIがこれを肩代わりする代償として、NASAはシャトルによる輸送を行う。
居住モジュールは2005年に打ち上げられて、ISSに組み込まれることになっている。
NASAプレス・リリース
米伊協定草案

No.411 :エンデヴァーがISSとドッキング他
投稿日 2001年4月22日(日)03時30分 投稿者 江藤 巌

・エンデヴァーがISSとドッキング
 スペースシャトル・エンデヴァー(STS-100/ISSフライト6A)は、アメリカ中部夏時間21日午前8時59分(日本時間同日22時59分)に南太平洋上空で国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングした。
FLORIDA TODAYミッション速報
CNN
Space.com

・宇宙観光旅行NASAも認める
 ロシアとアメリカなど他のISS計画参加国の間の対立点となっていた、今月28日のソユースTM-32へのアメリカ人実業家デニス・ティトーの搭乗とISS乗り込みについて、NASAは態度を軟化させてティトーの宇宙飛行を了承することになったようだ。ティトーはロシア側に2000万ドル(約24億円)を支払って、ソユースに乗る権利を手にした。
CNN
SpaceDaily
Space.com

・NASDAが職員水増し?
 21日付朝日新聞朝刊は、「NASDA・原研など給与6億5000万円を水増し 職員数を操作」との見出しで、宇宙開発事業団(NASDA)を含む級科学技術庁(現文部科学省)系の特殊法人・特殊認可法人三者が、予算上の給与額に上積みした給与を5年以上支給されていると報道した。国から認可された「定員」に対して、年度末の職員数はNASDAが18〜48人少なかった。
 この報道に関してNASDAでは、宇宙開発事業団の職員給与と定員についてを公表したが、定員と実員の間に差があることは認めている。
定員と実員 (単位:人)
年度末定員  年度末実員
平成12年度  1,088  1,067
平成11年度  1,079  1,046
平成10年度  1,057  1,009
平成 9年度  1,038  1,008
平成 8年度  1,019  1,001

No.410 :エンデヴァー順調に飛行中
投稿日 2001年4月20日(金)12時27分 投稿者 江藤 巌

 日本時間の20日深夜に打ち上げられたスペースシャトル・エンデヴァー(STS-100/ISSフライト6A)は、順調に飛行を続けている。
国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングは、アメリカ東部夏時間21日午前9時36分、日本時間同日22時36分に予定されている。
エンデヴァーはISSにカナダ製のロボット・アーム(カナダーム2)を取り付け、またイタリア製の多目的補給モジュール(MPLM)”ラファエロ”でISSに補給物資や実験ラックを運び込む。
スペースシャトル「エンデバー号」(STS-100/国際宇宙ステーション組立ミッション(6A))の打上げについて
NASA有人宇宙飛行
STS-100ステイタス・リポート
ISSステイタス・リポート
FLORIDA TODAYミッション速報
FLORIDA TODAY
FLORIDA TODAY打上げスライド・ショー
CNN
Space.com
SpaceDaily
SpaceDaily

No.409 :エンデヴァー軌道に乗る
投稿日 2001年4月20日(金)03時55分 投稿者 江藤 巌

 エンデヴァーは2本の固体ロケット・ブースター(SRB)を切り離し、3基のメイン・エンジンも停止して、外部タンク(ET)を切り離して、衛星軌道に乗った。
FLORIDA TODAY
Space.com

No.408 :エンデヴァー打上げ!
投稿日 2001年4月20日(金)03時41分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトルOV-105エンデヴァーは、ケネディ宇宙センター(KSC)の39A発射台から、日本時間午前3時40分40秒に離昇して、現在衛星軌道に向けて上昇中である。

No.407 :最終秒読み開始
投稿日 2001年4月20日(金)03時34分 投稿者 江藤 巌

スペースシャトル・エンデヴァー(STS-100/ISSフライト6A)は、日本時間午前3時40分40秒の打上げに向けて、最終の秒読みをさきほど開始した。
 KSCの天候は良好、また打ち上げ時の大西洋横断アボート(TAL)の飛行場に指定されているスペインのモロンの天候も許容範囲内である。他の二個所のTAL飛行場のスペインのサラゴサ、モロッコのベン・グエリルはいずれも天候不良で使用出来ない。
ケネディ宇宙センター(KSC)カウントダウン
KSCカウントダウン・ステイタス
KSC打上げステイタス
FLORIDA TODAY打ち上げ速報
Space.com

No.406 :エンデヴァー打上げ間近
投稿日 2001年4月20日(金)02時57分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトル・エンデヴァー(STS-100/ISSフライト6A)の打上げは、日本時間の午前3時41分になる予定。現在カウントダウンは打上げ9分前(Tマイナス9分)の状態で計画通りの休止(ホールド)中である。
 すでに宇宙飛行士はエンデヴァーの機内に入り座席に就いている。今回の乗員はアメリカ人、ロシア人、イタリア人(ヨーロッパ宇宙機関ESA代表)、カナダ人と、国際宇宙ステーション計画に参加する5者のうち、日本を除いた4者が顔をそろえている。
 現在までカウントダウンは順調に進行しており、コクピットの照明のスイッチを交換した以外はトラブルもほとんどない。天候も良好で、いまのところ予定通りの打上げをさまたげるものはない。
 T−9minからの最終カウントダウンは、日本時間の午前3時32分から開始される予定。
ケネディ宇宙センター(KSC)カウントダウン
KSCカウントダウン・ステイタス
KSC打上げステイタス
FLORIDA TODAY打ち上げ速報
CNN
Space.com
SpaceDaily

No.405 :アリアンスペース社会長が記者会見
投稿日 2001年4月20日(金)01時28分 投稿者 江藤 巌

・アリアンスペース社会長が記者会見
 アリアンスペース社のジャン=マリー・リュトン会長(兼CEO)が、19日に東京都内で記者会見を行った。記者会見には同社のフィリップ・ベルトロティエール営業本部長、東京事務所のジャック・ローランツ代表、高松聖司副代表らも同席した。
 フランスのエヴリに本社を置くアリアンスペース社は、1980年に創設された世界でも最初の民間宇宙輸送会社である。同社の業務はアリアン打ち上げ機の製造マネジメント(資金調達を含む)、衛星打上げサービス、南米赤道直下のフランス領ギアナのクールー・センターでのアリアンの打上げ作業で、同社の出資者はアリアン計画に参加しているフランス、ドイツ、イタリア、イギリス、ベルギー、スペイン、スイス、スウェーデン、オランダ、デンマーク、アイルランド、ノルウェイの計12カ国の企業である。
 2001年3月末までに同社は225機の衛星と9回のATV()の打上げを受注し、そのうち187機を打ち上げた実績がある。受注残は衛星38機とATV9機で、約40億ドルに相当する。
 アリアンスペース社はヨーロッパのみならず、アメリカ、アラブ諸国など世界の55カ国やインテルサット(国際通信衛星機構)などの国際機関から打上げを受注しており、世界の衛星運用者のほとんどがアリアンを利用して来たことになる。
 日本はこれまでに24機の衛星を海外に打上げ依託しているが、アリアンスペース社はそのうち18機までを受注している。同社はすでに日本の衛星15機を打ち上げて来た。  アリアンスペース社は、現在はアリアン4シリーズとアリアン5の二種類の打ち上げ機を運用している。アリアン5は1999年12月に商業運用を開始し、次第にアリアン4シリーズと交替して行く予定である。アリアン4シリーズはこれまでに103回打ち上げられて100回が成功、成功率は97%にもなる。アリアン5はこれまでに9回打ち上げられ、そのうち6回の商業打上げはいずれも成功している。
 アリアンスペース社は早くから日本の市場に着目し、1985年には東京事務所(千代田区霞ヶ関)を開設、日本の企業との関係を深めて来た。
 リュトン会長によれば、アリアンスペース社は2000年度には約2000万ドルの赤字を計上したが、これはアリアン5の改良などに投資をしたためで、2001年度には黒字に復帰する見込みである。
 リュトン会長は質問に答えて、日本のH-2Aについては競争相手としてではなく良きパートナーとしての関係を持ちたいと述べた。しかし日本の航空宇宙企業に対しては、アリアン計画への参加を求める考えのないことも明らかにした。

・LE-7A領収試験完了
 宇宙開発事業団(NASDA)は、種子島宇宙センターH-2Aの1号機の第1段に搭載予定のLE-7Aエンジンの領収燃焼試験を行っていたが、4月19日に予定された3回の試験を無事終了した。
LE-7Aエンジン燃焼試験 プレスリリースリスト
第1回試験
第2回試験
第3回試験
H-IIAロケット試験機2号機用LE-5Bエンジン領収燃焼試験の実施について

・サリュート1打上げから30周年
 今年の4月19日は、1971年にソ連が世界で最初の宇宙ステーション”サリュート”(Салют、Salyut、「祝砲」)を打ち上げてから30年目の記念日に当たる。
サリュート1には6月になってからソユース11の3人の宇宙飛行士が乗組み、同月末まで当時としては最長の3週間にわたって宇宙に滞在した。
 しかし6月30日ソユース11が帰還する際に気圧調整バルブが開いてしまい、宇宙機内の空気がすべて抜けて、宇宙服を着ていなかったG・T・ドブロヴォルスキーV・N・ヴォルコフV・I・パツァーイェフの3人は死亡した。これはソユース1に続く2件目の宇宙飛行中の死亡事故で、スペースシャトル・チャレンジャー爆発事故までは最大の犠牲者を出した事故でもあった。
 ソ連はその後も7号までサリュートのシリーズを打上げ続け、1986年には改良型のミールを搭乗させている。
Space.com特集



No.404 :インドの国産大型ロケット試験飛行成功
投稿日 2001年4月18日(水)20時14分 投稿者 江藤 巌

 インド宇宙研究機構(ISRO)が自力で開発した静止衛星打ち上げ機(Geosynchronous Satellite Launch Vehicle )の1号機が18日にインド南東スリハリコタ島のSHARセンターから打ち上げられて、質量1540kgの試験ペイロードGSAT-1を静止遷移軌道に投入した。
GSLV-D1の打上げは3月の28日に試みられたが、離昇直前に第1段から火災が発生して打上げは中止されていた。
SpaceDaily
GSLV詳細

No.403 :宇宙観光のティトー氏バイコヌール宇宙基地入り他
投稿日 2001年4月18日(水)16時25分 投稿者 江藤 巌

・訂正
 STS-100/ISSフライト6Aの打上げ時刻をアメリカ東部夏時間19日午前2時41分と書いたが、正しくは午後2時41分で、ここの記述を基にしたための誤り。日本時間では20日の午前3時41分になる。
 打上げ当日(19日)の段取りは以下のようになっている。時刻はアメリカ東部なぐ時間(EDT)で、日本時間との時差は13時間になる。
4:00 a.m. Crew wake up and medical checks
5:00 a.m. Breakfast
9:30 p.m. Lunch
10:15 a.m. Weather Briefing (CDR, PLT, MS2)
10:15 a.m. Don flight suits (MS1, MS3, MS4, MS5)
10:25 a.m. Don flight suits (CDR, PLT, MS2)
10:55 a.m. Depart for launch pad
11:25 a.m. Arrive at white room and begin ingress
12:40 p.m. Close crew hatch
2:41 p.m. Launch

・宇宙観光客バイコヌール入り
 初めての宇宙観光客として国際宇宙ステーション(ISS)に乗り込もうとしているアメリカ人実業家デニス・ティトーは、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地に入って、4月28日のソユースTM-32の打上げを待っている。ティトーはバイコヌールで他の二人の乗員とともに宇宙服の最終チェックを行った。
 一方アメリカのNASA(航空宇宙局)ヨーロッパ宇宙機関(ESA)カナダ宇宙局(CSA)などのISS計画参加宇宙機関は、一致してティトーのISS乗組みに反対している。NASAとロシア側の協議は物別れに終わり、ロシア側は反対を押し切ってもティトーをソユースTM-32でISSに送り込む構えである。NASAがヒューストンでのティトーの訓練を拒否したために、ティトーのISSのシステム習熟が不足している懸念が表明されている。NASAとロシア側は、20日にティトー問題について最終協議を行う。
ISSで長期滞在を続けている第二次遠征隊の三人の宇宙飛行士達は、誰であれISSへの訪問者は歓迎する意志を表明している。ティトーは今回の宇宙行きのため、自腹を切って2000万ドル(約24億円)をロシア側に支払っている。
CNN
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・北極圏での火星探検シミュレイション準備始まる
 カナダ北部北極圏のデヴォン島で、火星表面の有人探検を模した長期滞在計画が近くスタートする。
この計画”Mars on Earth”は、火星協会(Mars Society)が将来の有人火星探検計画の予備実験として実施するもので、北極圏の夏の気候が火星表面に似ているとしてデヴォン島が選ばれた。火星とデヴォン島
 計画では火星着陸船を模したような研究施設に6〜7人の研究員が約10日交替で滞在し、隊長は地質学者のパスカル・リーと、宇宙工学者で有人火星飛行に関する著書もあるロバート・ズブリンが交替で務める。第1期の滞在は今年の6月28日から始まり、8月17日までに6組が滞在する。乗員選考
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