宇宙作家クラブ
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No.268 :更新再開
投稿日 2000年12月22日(金)00時53分 投稿者 江藤 巌

 パソコンの不調で10日ほどウェブにアクセス出来ない状態が続いておりましたが、ようやく復帰いたしました。その間のニュースを短くまとめてアップします。

・アリアン5で打ち上げ
 アリアンスペース社は、12月19日にフランス領ギアナのクールー宇宙センターからアリアン5の4号機(フライト138)で、宇宙開発事業団(NASDA)のLDREX試験衛星、SES社のアストラ2D通信衛星、アメリカのGEアメリコム社GE-8/オーロラ3通信衛星の3機の衛星を同時に打ち上げるのに成功した。
 LDREXは、2003年度に打ち上げを予定している技術試験衛星8型(ETS-8)の大型展開アンテナの設計の妥当性を確認するための、アンテナ小型部分モデルの宇宙環境下での展開実験である。
技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)大型展開アンテナ・小型部分モデル展開実験(LDREX)の実施状況について(速報)
アリアンスペース社フライト138
同社プレスリリース

・アトランティス打ち上げは数日遅れか?
 スペースシャトル・アトランティスの飛行(STS-98/ISSフライト5A)は、固体ロケット・ブースター(SRB)のケーブルの点検と交換のために、予定の2000年1月18日から数日遅れそうである。新しい打ち上げの日取りはまだ発表されていない。
 前回のシャトルの打ち上げ(STS-97)では、SRBの分離ボルトが正常に作動しないという問題が発見されている。
FLORIDA TODAY
STS-98/5Aフライト飛行計画概要

・エンデヴァー着陸
 スペースシャトル・エンデヴァーは、STS-97/ISSフライト4Aを終えて、アメリカ東部標準時12日11日1803(日本時間12日0803)に、ケネディ宇宙センターに着陸した。
フライト4Aでは国際宇宙ステーション(ISS)に4枚の太陽電池パネルを取り付けることに成功した。
スペースシャトル・エンデバー号(STS-97/国際宇宙ステーション組立ミッション(4A))の打上げ・運用結果について

・プログレス再ドッキングへ
 シャトル・エンデヴァーがドッキングする余裕を与えるため、ISSから切り離されて軌道を単独で周回していたロシアの無人補給船プログレスM1-4は、ISSと再度ドッキングを試みることとなった。
当初アメリカ側は、プログレスM1-4の自動ドッキング装置が故障していることを理由に、再ドッキングに難色を示していた。

・フランス人宇宙飛行士がISS搭乗に向けて訓練中
 フランス研究省は、クローディー・アンドル=デシェ宇宙飛行士が2001年の10月にISSに乗り組むための訓練を始めていると発表した。彼女は1996年8月にロシアのミール宇宙ステーションに搭乗した経験がある。

・ガニュメデにも海がある?
 NASA(アメリカ航空宇宙局)は、木星の周回軌道上にあるガリレオ探査機が撮影した木星の衛星ガニュメデの画像の解析から、ガニュメデの氷の表面の下に液体の海が存在する可能性があると発表した。
木星の衛星では、エウロパにも海がある可能性が高い。
NASAプレス・リリース
ガリレオの木星衛星の画像

・カッシーニから木星の表面写真
 一方木星をフライバイして土星に向かったカッシーニ探査機が捉えた木星の画像も発表されている。

・NASAが冥王星探査計画復活
 NASAは冥王星探査計画の提案を募ると発表した。NASAでは冥王星の探査計画を中止すると発表していたが、惑星科学界からの強い要望もあり木星を含む外惑星の探査計画を復活させた。
SpaceDaily
FLORIDA TODAY

・NORADがサンタ追跡中
 クリスマスの恒例行事、北アメリカ航空宇宙防衛コマンド(NORAD)のサンタクロース追跡(日本語ページ)が始まっている。NORADはアメリカとカナダ合同の組織である。

・ヨーロッパ火星探査機の着陸地点決まる
 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)では、2003年末に打ち上げ予定の火星探査機ビーグル2の着陸予定地点として、イシディス・プラニティアを選定した。
ESAプレス・リリース
ビーグル2ランダーHP

No.264 :クリントン大統領,宇宙開発についてディスカバリーチャンネルに出演
投稿日 2000年12月17日(日)00時20分 投稿者 松浦晋也

 クリントン米大統領が,CATV/CSディジタル放送の「ディスカバリーチャンネル」の番組「ディスカバリーニューススペシャル」に登場し,宇宙開発について語りました。以下12月17日午前0時から放送された番組からの抜粋と分析です。

 クリントン大統領のインタビューは科学技術政策全般に関するものでしたが,宇宙開発に関しては基本的に国際宇宙ステーションと火星探査を軸とした米航空宇宙局(NASA)の現在の方針を支持するという内容でした。

・宇宙開発は超長期的な未来への投資であり,それらの投資を別分野に振り向けるべきとの意見があることは承知しているが,
宇宙への投資はなされるべきと考える。
・国際宇宙ステーションへの15年間で400億ドルの投資で,人類は恒常的の宇宙に大災する場を得ることになる。それは必ず新しい,考えもしなかった知見を与えてくれるだろう。同時に国際協力の形でロシアからの先端技術者流出を抑止している。
・火星に水があったとする発見は承知しており,今後ともサンプルリターンに向けた努力を続けるべきである。

 大統領選も終わった時期に大統領がこのようなインタビューに応じた理由は,まず間違いなく自分の実績の強調というところにあるでしょう。ただしそのような思惑は別にして,大統領の口調は単なる用意原稿を理解しないままの棒読みではなく,問題点を理解した上で政策決定を行っていると感じさせるものでした。

 重要な点として,国際宇宙ステーションを政策上重要としたことです。ステーションは単なる科学上の道具ではなく地上の国際政治にとって重要だとしている(直接言及したのはロシアからの技術者流出だけですが)ことに注目しなくてはなりません。
 ステーションへの投資は,明らかに軍事費と同じ安全保障政策費用としてなされているのです。ステーションへの投資は科学界でも無意味な浪費とする意見があるのですが,16 カ国が参加する宇宙に浮かぶ巨大国際協力計画は,存在するだけで安全保障上意味があると認識しているのです。

 私見ですが――有人宇宙計画を進める中国が,自主開発した有人宇宙船で国際宇宙ステーションを訪問するというようなシチュエーションが国際政治に及ぼす影響を想像すれは,国際宇宙ステーションの政治的な重要性は明らかだと考えます。まず間違いなく米首脳部はその可能性を検討しているはずです。

 その上で火星探査などを長期的な投資と位置付けているのです。「投資にはリターンがある」とはっきり発言していました。

――――――――――
 面白いのはクリントン大統領こそ,1993年の就任時に国際宇宙ステーションに総建設予算130億ドルのワクをはめた張本人であることです。この結果計画は二転三転し,最終的にロシアの参加という大きな変化を招きました。その当人が「15年400億ドル」と話しているということは,この8年間の実務経験によって大統領の宇宙開発への認識が変わったことの証拠でしょう。
 権力の座に座る前は宇宙予算の削減を狙っており,8年間の権力行使の結果400億ドルの支出を認めるようになったということは,米の権力にとって,宇宙開発はそれだけの価値があるということを意味します。米の国際的地位にとって,宇宙開発がそれだけの意味があるということに他なりません。

 ちなみに前ブッシュ(父)政権においても似た経緯がありました。ブッシュ政権は国際宇宙ステーションについては投資を進めた(当時はまだ「フリーダム」と言っていた)のですが,宇宙科学には冷淡で,開発に入っていた大型惑星探査機「カッシーニ(土星探査機)」「CRAF(彗星・小惑星探査機)」について,CRAFを中止に,カッシーニ予算を半額へと削減したのです。カッシーニ計画は見る影もなくやせ細りました。
 しかし,1997年に実際に上がったカッシーニは,ほぼ元と同じコンフィギュレーションに戻っていました。そこに,権力を経験した大統領の心変わりを読みとれると思います。


 森喜朗首相に同じインタビューをしても官僚が作文した答案しか出てこないでしょう。森首相はその内容も理解しないまま棒読みすると,私は予想します。あるいはそもそもそのようなインタビューに内閣総理大臣が出ることはなじまないとして,科技庁長官を代理に出すかも知れません。官僚が「いい加減なことを言われてはかなわない」と総理大臣を隠すという事態は,十分にあり得ると思います。
 それ以前に,総理にそのようなインタビューをするディスカバリーチャンネルのようなメディアが存在しない,という問題もあるのですけれども。

 日米双方首脳の宇宙開発への認識はそれほど隔たっています。それは宇宙開発のみならず,科学技術全般についても同じです。

 全く残念な話です。しかし,我々には,来年の衆議院選挙で自らの意志に基づく正しい票を行使する権利があることを忘れてはなりません。
(S.MATSU)

No.263 :エンデヴァー明朝に着陸
投稿日 2000年12月11日(月)21時37分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトルOV-105エンデヴァーは、国際宇宙ステーション(ISS)に太陽電池パネルを取り付ける任務を成功裏に終了して、日本時間の12日朝にケネディ宇宙センター(KSC)に着陸する予定である。
現在の所KSCの天候は良好で、予定通りならばエンデヴァーは170周目で軌道離脱(deorbit)、171周目に再突入して、アメリカ東部標準時(EST)の11日18時03分45秒(12日08時03分45秒)にKSCの15番滑走路に着陸する。
 デオービットから着陸までの予定は以下のとおりとなっている。時間はESTで、
日本時間との誤差は14時間である。

TIME..........EVENT
12:57:36 PM...Begin deorbit timeline
01:12:36 PM...Radiators stowed
01:22:36 PM...Mission specialists seat installation
02:03:36 PM...Final payload deactivation
02:17:36 PM...Payload bay doors closed
02:37:36 PM...OPS-3 entry software loaded
03:17:36 PM...Crew entry review
03:32:36 PM...Commander, pilot don entry suits
03:49:36 PM...Navigation system alignment
03:57:36 PM...Commander, pilot strap in; MS's don suits
04:14:36 PM...Shuttle steering check
04:37:36 PM...Mission control 'go' for deorbit burn
04:57:36 PM...Deorbit ignition
05:00:20 PM...Deorbit burn complete
05:32:10 PM...The shuttle hits the discernible atmosphere
05:37:01 PM...77-degree right-to-left roll
05:44:02 PM...58-degree left-to-right roll
05:57:07 PM...Velocity less than mach 2.5
05:59:17 PM...Velocity less than mach 1
06:00:10 PM...Shuttle banks for landing
06:03:45 PM...Touchdown on runway 15

 もし天候不良やオービターのトラブルなどで170周目のデオービットをやり過ごすことになっても、171周目にデオービットして172周目に着陸するチャンスがある。
またKSCの天候が不良の場合、171周あるいは172周目にデオービットして、カリフォーニア州のエドワーズ空軍基地(AFB)に降りることも出来る。
再突入・着陸コース
スペースシャトルとエドワーズAFB
ISSとエンデヴァーの現在位置
国際宇宙ステーション・スペースシャトルを見よう

 ISSから離れた後のエンデヴァーから撮影した、ISSの画像が公表されている。
夜の側昼の側
今回のシャトルのミッションで取り付けられた太陽電池パネルの大きさは、差し渡し73mにもなる。これはジャンボジェット機の翼幅にほぼ等しい。
それまでのザリャーとズヴェズダー・モジュールに取り付けられていた太陽電池パネルと比べても、新しい太陽電池の面積の広さと発電能力の大きさが理解出来るだろう。

No.262 :エンデヴァードッキングを解く他
投稿日 2000年12月11日(月)02時04分 投稿者 江藤 巌

・エンデヴァーISSから離れる
 STS-97/ISSフライト4Aで国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングしていたスペースシャトルOV-105エンデヴァーは、12月9日の中部標準時(CST)1313時(日本標準時JST10日0413時)にISSとのドッキングを解除して、帰還の準備に入った。エンデヴァーがISSとドッキングしていた期間は6日と23時間13分に及んだ。
これに先だって8日の0836CST(2336JST)には、ISSのユニティ・ノードとエンデヴァーの間のハッチが初めて開かれて、ISSに滞在中の3人の第一次遠征隊とエンデヴァーの5人の乗員とが軌道上で初めてお互い顔を合わせた。
ISSとエンデヴァーとの間は、エンデヴァー側がEVA(船外活動)のためキャビンの気圧を落としていたので、これまで通行が許されていなかった。エンデヴァーが3回のEVAを無事終了し、キャビン気圧をISSと同じレベルまで上げたことで、初めて交流が可能になった。
合わせて8人の宇宙飛行士達は荷物を移動した後、8日1557CST(9日0657JST)から、軌道上での共同記者会見に応じた。
ISSとエンデヴァーの間のハッチは、9日0951CST(10日0051JST)に再び閉じられた。
 エンデヴァーのケネディ宇宙センター(KSC)への着陸は、11日1819EST(12日0819JST)の予定。
NASAステイタス・リポート
CBSニュース・ステイタス・リポート
FLORIDA TODAY Space Online
FLORIDA TODAY Space Online
SpaceDaily

・シャトル打ち上げでブースター分離にトラブル
 11月30日(日本時間12月1日)のSTS-97の打ち上げの際に、固体ロケット・ブースター(SRB)と外部タンク(ET)とを結合している爆発ボルトの1本が、メインの点火回路では爆発分離しないというトラブルがあったことが発表された。
問題のボルトは、左SRBをETと結合している爆発ボルトの一つで、バックアップの点火回路が作動したので、SRBの分離には支障はなかった。
しかし万一このボルトが点火されないと、まだ推力を残したSRBがETと衝突して大事故となる可能性も考えられないではない。
これに対してNASA側では、バックアップが働いたのだから問題はないとの態度を示している。
ただ同じ設計の爆発ボルトは1965年以来使われているが、これまでに一度もトラブルを起こしたことはない。このためトラブルの原因調査の結果次第では、来年1月18日に予定されている次回のシャトル打ち上げが延期される可能性もないではない。
FLORIDA TODAY Space Online

・35歳の探査機との交信回復
 NASAは1965年に打ち上げたパイオニア6探査機との交信に成功した。パイオニア6は太陽を周回する軌道上にあり、交信時の地球との距離は1億3300万kmであった。
パイオニア6は1965年の12月16日、太陽活動の観測を目的に人工惑星軌道に打ち上げられた。パイオニア6及び姉妹機の同7、同8、同9は、太陽風や磁場を観測して、アポロ計画のための太陽活動予報のデータを送信して来た。パイオニア6は太陽からの距離0.8天文単位、地球と金星の間の軌道を回っている。
パイオニア6はその後もデータを送り続けて来ていたが、1997年には地球とのコンタクトが切れていた。このほど打ち上げから35年にして交信回復に成功したものである。Space.com

No.261 :H-2Aの開発状況
投稿日 2000年12月9日(土)01時33分 投稿者 江藤 巌

・H-2Aの開発状況
 宇宙開発事業団(NASDA)は、H-2Aロケットの開発状況と打ち上げ予定を発表した。
H-2Aの試験機1号機は2001年度に基本形態で性能確認用ペイロード(VEP-2)だけを載せて打ち上げる。
H-2Aの試験機2号機は2001年度冬期(2002年2月頃)に、性能確認用ペイロード(VEP-3)と民生部品・コンポーネント実証衛星(MDS-1)を載せて打ち上げる。2号機は第1段に改良されたLE-7Aエンジンを搭載し、固体補助ロケット(SSB)装着形態で打上げる。
LE-7Aエンジンの改良は、液体水素ターボポンプの入口付近で異常な流体現象が発生しないように、インデューサの吸い込み性能の改善を行う。
H-IIA開発計画等の見直しについて
H-IIAロケットの確実な打上げに向けての措置について
LE-7Aエンジン液体水素ターボポンプのインデューサ設計見直しについて
LE-7Aエンジン技術データ取得試験の実施について

・若田宇宙飛行士帰国報告会の募集締切延期
 宇宙開発事業団は、東京(2001年1月11日)と大阪(1月18日)に開催する若田宇宙飛行士帰国報告会の参加募集締切を、12月22日まで延期することを発表した。
若田宇宙飛行士帰国報告会 開催について(募集締切の延期)

・ISSの太陽電池展長成功
 スペースシャトル・エンデヴァーのタナー、ノリエガ両MSは、7日(現地時間)に
3回目のEVA(船外活動)を行って、P6モジュールから展長した太陽電池パネルが完全に伸びきっていない問題を解決した。
修理はまず右舷側のパネルを若干縮めた上で、緩んだ張力ケーブルをリールに引っ掛け直し、再度延ばすことで行われた。
作業は予想外に順調に進行し、実際両MSは余った時間で次のシャトルの乗員が行うはずの課題のいくつかまで先取りして遂行した。
STS-97ステイタス・リポート#15
ISSステータスレポート(NASDA)
CBSニュース・ステイタス・リポート

No.260 :エンデヴァー3回目のEVA準備へ
投稿日 2000年12月7日(木)21時27分 投稿者 江藤 巌

・シャトル3回目のEVA準備中
 エンデヴァーの宇宙飛行士達は、6日は翌日のEVA(船外活動)の準備で比較的のんびりした日を過ごした。7日に予定されている3回目のEVAでは、タナーMSとノリエガMSは太陽電池パネルの計画外の調整を行うことになった。これは最初のEVAで展長した右舷側のパネルが完全に延びきっていないというトラブルが発生したからで、5日の2回目のEVAの際に畳んであるパネルを引っ張るケーブルがプーリーから外れていることが判明した。このため7日のEVAでは、二人のMSは宇宙服の手袋をしたままケーブルをプーリーに引っ掛け直すという困難な作業を要求される。
 太陽電池パネルが完全に展長されていないくとも発電能力には支障はないが、シャトルがISSにドッキングした際やISSの姿勢制御や軌道変換の際に、パネルが揺れて破壊される恐れがある。P6の左舷側の太陽電池パネルは、慎重に展長したお蔭で完全に伸びきっている。
 一方国際宇宙ステーション側では、遠征隊指揮官のシェパード宇宙飛行士が再びユニティ・ノードに入った。これはエンデヴァーの分離に備えて、エンデヴァーの運び込んだ荷物をISS側に移し、ISSから持ち替える荷物をエンデヴァー側に移す準備のためである。人間の排出する水分でユニティ内部の結露が心配されるため、ユニティ内に入ったのはシェパード一人で、ギジェンコとクリカリョフの二人の宇宙飛行士はズヴェズダー・モジュール内に留まった。
NASA STS-97ステイタス・リポート#13
CBSニュースのステイタス・リポート

・ロシアがイスラエルの観測衛星打ち上げ
 ロシアは12月5日シベリアのスヴォボードヌィ基地からスタールト1打ち上げ機で、載せるのに成功した。EROS A1はイスラエルのイメージサット・インターナショナル社が運用し、地上解像力1mの画像を商業的に販売する予定である。
イメージサット・インターナショナル社プレス・リリース
SpaceDaily

・イリジウムを軍事利用
 アメリカ国防省の国防情報システム局(DISA)は12月5日に、イリジウム・サテライトLLCとイリジウム低高度通信衛星のサービス利用で契約を結んだ。イリジウム・サテライトは、倒産したイリジウムLLCの資産を買い取って、商業運用を続けることを目的に設立された会社である。1999年8月のイリジウム倒産以前からイリジウム・システムの軍事利用は実験されていたが、今回の契約は24ヶ月間総額7200万ドルの規模で、約2万のユーザーが移動体通信を利用することになる。
SpaceDaily
国防省ニュース・リリース

・NASAのゴールディン長官続投も
 アメリカ大統領選挙でジョージ・W・ブッシュ知事が当選しようと、アル・ゴア副大統領が昇格しようと、現在のNASA(航空宇宙局)長官のダン・S・ゴールディンは更迭されるとの観測だったが、ブッシュ政権になればゴールディン長官は続投するのではないか、との観測がワシントンで流れている。ゴールディン(60歳)はTRW社の副社長から、1992年4月に先代のジョージ・ブッシュ大統領により長官に任命され、クリントン現大統領も彼を替えなかった。
 ご存じのようにアメリカの政府機関の主要な役職は、大統領が任命し議会が承認する政治任命職(political apointee)であるが、職能集団のNASAに関しては政治任命職であるのは長官、副長官、主任財務官、監察官の4人だけで、後はNASA内部の人事とされている。
 政権交代の際の引き継ぎのために、各政府機関の幹部職の内一人は次期政権まで留まることが規則で要求されている。ゴールディン長官は副長官を置かなかったので、NASA幹部で引き継ぎ役を勤められるのは、彼自身かアーノルド・ホルツ主任財務官だけである。
 すでにゴールディン長官の在任期間は、1回の任期では歴代長官中最長となっているが、仮に2001年の5月5日までその地位に留まれば、2回の就任期間を合計した故J・C・フレッチャー長官の在任記録も更新することになる。NASAの長官の任命はたいていの政権が後回しにして、政権発足後数ヶ月は新長官が決まらないことも珍しくはないので、もしゴールディンが自ら引き継ぎ役を務めるならば、彼の任期が歴代最長となるのも夢ではない。
Space.com

No.259 :H-2Aの第2段エンジンのタービンに亀裂他
投稿日 2000年12月6日(水)11時07分 投稿者 江藤 巌

・LE-5Bエンジンのタービンに亀裂発見
 宇宙開発事業団(NASDA)が角田ロケット開発センターで行っていたH-2Aの第2段のLE-5Bエンジンの信頼性向上燃焼試験において、試験後エンジンを分解して点検したところ、液体水素ターボポンプのタービンディスクに亀裂が発見された。亀裂は2段のタービンディスクの1段目だけに生じており、原因は調査中である。
H-IIAロケットLE-5Bエンジン信頼性向上燃焼試験後の分解点検結果について

・文部科学技術相に町村信孝氏
 第二次森改造内閣が12月5日発足したが、文部大臣と科学技術庁長官には町村信孝氏(56歳、衆議院北海道5区、自民党森派)が任命された。町村氏は、現在の文部省科学技術庁とを統合して2001年1月6日に誕生する、文部科学技術の初代大臣になる。
 現在の宇宙科学研究所(ISAS)文部省の国立研究機関、また特殊法人である宇宙開発事業団(NASDA)の監督官庁は科学技術庁である。両省庁が統合されれば二つの組織は一つの屋根の下に入ることになり、いずれは組織の統合と言った話も出てくるだろうが、いまのところ将来の予定は公式には決まっていない。

・宇宙研がノルウェーから観測ロケット打ち上げ
 宇宙科学研究所は12月4日(日本時間)にノルウェーのアンドーヤ・ロケット射場施設スバルバード・ロケット実験場(ニーオルスン)から、極域カスプ近傍におけるイオン流出の観測を目的に、SS-520-2号機を打ち上げた
打ち上げの様子と観測目的

・第3回宇宙開発事業団改革推進委員会開催
 11月29日筑波宇宙センターにおいて宇宙開発事業団改革推進委員会の第3回会合が開催された。
第3回宇宙開発事業団改革推進委員会の開催結果について
これまでのプレス・リリース

・ISS2回目のEVA終了
 国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしているスペースシャトル・エンデヴァー(STS-97/フライト4A)のタナー、ノリエガ両MSは、5日に2回目のEVA(船外活動)を行った。EVA2では先にISSに結合され、太陽電池パネルを広げるのにも成功したP6モジュールとISSとの配線接続作業を行った。
STS-97・ISSステイタス・リポート

・衛星打ち上げ失敗で企業規模縮小
 ロシアのプレセツク基地から11月20日に打ち上げられたものの、消息を絶ったアメリカのアースウォッチ社のクイックバード1地球観測衛星について、ロシア側からは原因はロケットではなく衛星側にあるとの話が流れてきている。
 クイックバード1が失敗したことで、アースウォッチ社では社員の約1/4に当たる48人のレイオフを強いられている。
アースウォッチ社プレス・リリース
SpaceDaily

No.258 :「火星に大きな湖の跡発見」とNASA発表
投稿日 2000年12月5日(火)11時16分 投稿者 江藤 巌

・NASA(米航空宇宙局)は、火星にかつて大きな湖が存在したと見られる痕跡を発見した、と4日発表した。
 これは火星を周回しているマーズ・グローバル・サーヴェイヤー(MGS)探査機が撮影した火星表面の画像の画像の分析の結果で、問題の地形は火星の南半球のキャンドル・チャズマ(Candor Chasma)で、MGSの画像には幾重にも重なった特徴的な層が見られる。各層の厚味は2〜5mと推定され、驚くほど均一の層を成している。
NASA発表
湖の痕跡の画像と解説
ジェット推進研究所(JPL)の発表
ジェット推進研究所(JPL)HP
マーズ・グローバル・サーヴェイヤー(MGS)探査機計画のHP
火星探査計画のHP
MGSの最新画像
Malin Space Science Systems
space.com
FLORIDA TODAY Space Online

・ISS太陽電池パネル展開
 国際宇宙ステーション(ISS)では、4日にP6太陽電池パネルの左舷側の展開が行われた。前日の右舷側2枚の展開で、パネルが完全に延びきらないという問題があったため、左舷側2枚の展開はより慎重に行われ、少しずつ伸ばしては様子を見つつ計画よりも時間が掛けられた。
FLORIDA TODAY Space Online
FLORIDA TODAY Space Onlineミッション速報
NASA ISS/STS-97ステイタス・リポート

No.256 :ISS翼を広げる
投稿日 2000年12月4日(月)12時42分 投稿者 江藤 巌

 国際宇宙ステーション(ISS)へのP6モジュールの取り付けは無事完了し、差し渡し73mに達する太陽電池パドルが展開された。
 スペースシャトル・エンデヴァーのカーゴ・ベイに搭載されていたP6は、ガルノーMSがロボット・アームを操作してISSのZ1トラスの上に持ち上げた。この間ジョー・タナーとカーロス・ノリエガの二人のMSは、エンデヴァーの船外に出て取り付け作業を補助した。二人の宇宙服のヘルメットには小型のTVカメラが取り付けられており、宇宙飛行士の見ているのと同じ光景をモニターできるようになっている。TV画像はそれぞれ”ジョー・キャム””カーロス・キャム”と呼ばれている。P6とISSとを接続するためのEVA(船外活動)は、5日と7日にも予定されている。
 太陽電池パドルの展開にあたっては、コンピューター・ソフトウェアのバグで船内からの遠隔操作でラッチを解放することが出来ない問題が生じたが、ソフトウェアをロードし直して解決した。太陽電池パドルはISSに最大65kWの電力を供給できる。
 一方ISSに一月前から滞在しているシェパード、ギジェンコ、クリカリョフの第一次遠征隊は、3日になって初めてユニティ・ノードの中に入った。ユニティには、ドッキングしているエンデヴァーの乗員が運び込んだペイロードが置かれていた。遠征隊へのちょっと早いクリスマス・プレゼントとなったのは、ISSの中で使用するラップトップ・コンピューター、ロシアのラップトップ用のHDD、双方向TV会議システム用のヘッドセット、工具(プライアー)、水、新鮮なコーヒーなどで、三人は早速休憩にはコーヒーを飲んだと言う。
 シェパードら3人は、まだエンデヴァーの5人の乗員と直接に顔を合わせてはいない。これはEVAを行うためにエンデヴァーの船内を約2/3気圧に減圧しているからで、両者を隔てるハッチが開くのは、3回のEVAが完了した後のことである。
STS-97ステイタス・リポート#6
FLORIDA TODAY Space Online
CNN
NASAステータス・レポート(和訳)

No.255 :シャトルとISSがドッキング
投稿日 2000年12月3日(日)09時25分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトル・エンデヴァーと国際宇宙ステーション(ISS)は、1500CST(0500(JST)にカザフスタンの上空でドッキングに成功した。
CBSシャトル・ニュース
CNN
SpaceDaily
FLORIDA TODAYミッション速報
 エンデヴァーのドッキングの余地を造るため、ISSにドッキングしていたプログレスM1-4無人補給船は1日にドッキングを解除している。しかしロシア側はプログレスをISSから約2500km離れた軌道に待機させて、エンデヴァーがミッションを終えた後再度ドッキングさせることを意図している。しかしアメリカ側では、プログレスM1-4の自動ドッキング・システムが最初のドッキングで異常を示したことから、危険が大きいとして再ドッキングに反対している。プログレスはミール宇宙ステーションとのドッキングの際にコントロールを乱して、ミールに衝突したことがある。

No.254 :エンデヴァー打ち上げ
投稿日 2000年12月1日(金)14時31分 投稿者 江藤 巌

 NASAは11月30日東部標準時午後10時6分、日本時間12月1日午後0時6分に、フロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)の39B発射台から、スペースシャトルOV-105エンデヴァーを打ち上げた。
 今回のSTS-97/ISSフライト4Aミッションの主な目的は、国際宇宙ステーション(ISS)太陽電池パドルP6を取り付けることである。ISSとのドッキングは飛行3日目の12月2日中部標準時13時57分(3日0452JST)、ISSからの分離は9日1317CST(10日0417JST)、KSCへの着陸は11日1819CST(12日0819JST)に予定されている。飛行のハイライトとなるP6の取り付けと太陽電池パドル作業は飛行4日目で、飛行4日目と6日目、8日目の合わせて3回EVA(船外作業)が行われる。
スペースシャトル「エンデバー号」(STS-97/国際宇宙ステーション組立ミッション(4A))の打上げについて(NASDA)
STS-97(NASDA)
STS-97飛行計画(NASDA)
STS-97の乗員(NASDA)
FLORIDA TODAY Space Online打ち上げ速報
NASA Human Space Flight
ISSとシャトルの現在位置
国際宇宙ステーション・スペースシャトルを見よう
ISS・シャトルの位置情報

No.253 :H-2Aのデビューは来年夏まで延期
投稿日 2000年11月29日(水)17時40分 投稿者 江藤 巌

・宇宙開発事業団は、H-2Aロケットの1号機の打ち上げを2001年度夏期まで延期することを、29日に開かれた宇宙開発委員会に報告し了承を得た。第1段のLE-7Aエンジンのトラブル対策が予想以上に時間が掛かっているため。
H-IIAロケットの打上げについて

H-IIAロケット最新情報

・宇宙開発事業団とNASAは11月28日、地球科学分野における協力と今後のパートナーシップの継続に向けた共同声明に署名した。
地球科学協力に係るNASDA・NASA共同声明(仮訳)
 

No.252 :スペースシャトルSTS-97秒読み開始
投稿日 2000年11月29日(水)15時51分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトルOV-105エンデヴァーは、アメリカ東部時間11月30日午後10時6分(2206EST)、日本時間12月1日午後12時06分(1206JST)の打ち上げに向かって、ケネディ宇宙センター(KSC)でカウントダウンを開始した。発射台はKSCのパッド39Bで、現在の天気予報では天候は良好の見込み。
カウントダウン(KSC)
FLORIDA TODAY Space Online打ち上げ速報
NASA Human Space Flight
宇宙開発事業団(NASDA)のSTS-97/フライト4A解説
ISSの現在位置
 STS-97あるいは国際宇宙ステーション(ISS)組立シークェンスのフライト4Aと呼ばれる今回の飛行は、スペースシャトルにとっては100回目の軌道周回飛行となるはずである。飛行期間は10日と20時間13分で、打ち上げが計画通りならば、帰還は12月11日の1819EST(12日0819JST)になる予定。ミッション内容(NASDA)
 STS-97/フライト4Aの主な任務は、ISSに大型の太陽電池パネルP6モジュールを取り付けることで、P6は4枚の展長式太陽電池板からなり、一杯に広げると幅は72mにもなる。P6は、去る10月のSTS-92で若田光一MSらがISSに取り付けたZ1トラスの上に立てられ、現在のISSの軸とは直角にパネルと展開する。P6にはアンモニアを冷媒に使う冷却システムも組み込まれており、太陽電池の余分な熱をパネルとは直角に広げられるラジエーターで宇宙に放散するようになっている。4枚のパネルは合計面積が3,020m^2で、262,400枚の太陽電池が張られ、発電能力は64kWになる。
フライト4A終了後のISSの想像図
太陽電池の説明
 STS-97の乗員はブレント・W・ジェット,Jr.海軍中佐(CDR)マイクル・J・ブルームフィールド空軍中佐(PLT)ジョウジフ・R・タナー(MS)、ペルー生まれのカルロス・I・ノリエガ海兵隊中佐(MS)、それにカナダ人のマルク・ガルノー博士(MS)の5人で、いずれもシャトルの飛行経験を有するベテラン揃いである。タナーMSとノリエガMSは4回にわたるEVA(船外活動)を行い、P6をISSと接続する。ガルノーMSはエンデヴァーの機内から、カナダ製のリモート・マニピュレイター(ロボット・アーム)を操作して、P6を取り付ける。
 ISSでは現在アメリカ人のシェパード、ロシア人のギジェンコ、クリカリョフの3人が、第一次遠征隊として長期滞在中である。P6の取り付け作業はISS第一次遠征隊の助けを借りずに行われ、ISSとエンデヴァーとの間のハッチもP6の取り付けが完了するまでは閉じられている。

No.251 :宇宙生物学のソフェン博士死去他
投稿日 2000年11月27日(月)00時59分 投稿者 江藤 巌

・宇宙生物学のG・ソフェン博士死去
 NASA(米航空宇宙局)で地球外生物学(Exobiology)あるいは宇宙生物学(astrobiology)、またライフ・サイエンスや地球科学の研究を指揮したジェラルド”ジェリー”ソフェン博士が、22日にワシントンD.C.の病院で死去した。享年74。
 ソフェン博士は1926年2月7日オハイオ州クリーヴランドの生まれで、1961年にプリンストン大学から生物学で博士号を受けている。ソフェン博士とNASAとの関わりは、ジェット推進研究所(JPL)で火星の生命探知実験装置を開発したときに始まり、ヴァイキング火星探査計画ではプロジェクト・サイエンティストを務めた。
 その後ソフェン博士はNASAラングリー研究所で環境科学主任を務め、1978年にはNASA本部(HQ)のライフ・サイエンス部長に任命されて、スペースシャトルの宇宙飛行士の健康管理を含むNASAのライフ・サイエンス研究全般の指揮を執った。1983年からはゴダード宇宙飛行センターにあって、「惑星地球へのミッション」(Mission to Planet Earth)計画を取りしきっていた。

・中国が宇宙白書公表
 中国は11月22日に宇宙開発の現状と未来を示した宇宙白書を公表した。中国が自国の宇宙開発の方針を内外に公表したのは始めてのことである。白書では、中国が1970年の初の衛星打ち上げ以来宇宙開発の実績を積み上げてきたことを延べ、1986年からは外国の衛星打ち上げてもいることを強調している。また1992年以来有人宇宙飛行計画を進めていることも公式にも認めた。
白書全文(英訳)

・インテルサット民営化にゴー
 国際通信衛星機構(International Telecommunications Satellite Organization)、略称INTELSATが、2001年にも民営化されることになった。インテルサットは世界144カ国の通信所管官庁や公社などが参加している国際組織で、世界各国間の電話やTV、データ通信を静止衛星を利用して中継している。インテルサットの民営化されるのは、参加各国が法制上の問題をクリアする余裕を与えるために、2001年の7月以降のことになる。
INTELSATプレス・リリース

No.250 :LE-7Aエンジンに欠陥発見他
投稿日 2000年11月23日(木)02時43分 投稿者 江藤 巌

・LE-7Aエンジンのノズル・スカートに製作上の欠陥
 宇宙開発事業団(NASDA)は、H-2Aロケットの第1段のLE-7Aロケット・エンジンについて、ノズルのスカート部分に不具合が発見されたため、原因を調査していると発表した。
LE-7Aのノズル・スカートは、約350本の細いパイプを鑞付けして組み立てられている。このパイプの中にはノズル冷却のための低温の水素が通る。この冷却管の内約100本に侵食が発見されたものである。
LE-7Aエンジンノズルスカートの製作状況について
LE-7Aエンジン燃焼試験

・デルタ2で3衛星打ち上げ
 11月22日1324EST(23日0324JST)ヴァンデンバーグ空軍基地からボーイング・デルタ2が打ち上げられて、NASA(米航空宇宙局)の衛星、国際協力衛星、それにスウェーデンの衛星の合わせて3機を準極軌道に乗せるのに成功した。
打ち上げられたのはNASAのEarth Observing-1地球資源衛星、アルゼンチン(アメリカ、ブラジル、デンマーク、フランス、イタリアも計画参加)の地球資源衛星SAC-C (Satellite de Aplicaciones Cientificas-C)、それにスウェーデンの小型科学衛星Muninである。
ボーイング社ニュース・リリース
FLORIDA TODAY Space Online
Space.com

・アリアンでカナダ通信衛星打ち上げ
 アリアンスペース社は、フランス領ギアナのクールー基地からアリアン44Lでカナダの静止通信衛星アニクF1を打ち上げた。この飛行はアリアン・シリーズの136回目の打ち上げとなる。
ボーイング・サテライト・システムズが製作したアニクF1(ボーイング702型)は打ち上げ質量4,700kgで、Kuバンドのトランスポンダー48本とCバンド・トランスポンダー36本を持っている。テレサット・カナダ社の運用するアニクF1は、西経107.3度の赤道上空に静止する予定である。
アリアンスペース社のプレス・リリース
FLORIDA TODAY Space Online

・クイックバード1失敗続報無し
 クイックバード1地球観測衛星の打ち上げ失敗について、いまだにボール社からもアースウォッチ社からも正式の発表はない。

・若田宇宙飛行士帰国報告会
 宇宙開発事業団(NASDA)は、先頃スペースシャトルで二度目の宇宙飛行を行った若田宇宙飛行士の帰国を機会に、来年1月中旬に東京と大阪で帰国報告会を開催する。
帰国報告会への参加希望者は、葉書あるいはインターネット(ただし東京報告会のみhttp://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/3a/bosyu_t.html)でNASDAに申し込む。
入場は無料。申し込みは12月15日必着。
詳しくは若田宇宙飛行士帰国報告会 開催について
若田宇宙飛行士帰還後記者会見詳報

・ISS現在の姿
 プログレスM1-4無人補給船がズヴェズダー・モジュールの地球側ドッキング口に結合しているので、国際宇宙ステーション(ISS)の現在の姿はこのようになっている
12月初めにスペースシャトルで太陽電池パネルが取り付けられるとこのようになる