宇宙作家クラブ
トップページ 活動報告ニュース掲示板 会員ニュース メンバーリスト 推薦図書

No.2392 :H3ロケット試験機1号機の極低温点検について ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月18日(木)12時08分 投稿者 柴田孔明

H3ロケット試験機1号機の極低温点検ですが、1回目が2021年3月18日1時9分に行われ正常にデータが取得されています。
2回目については発雷の可能性があると判断されたためカウントダウン作業実施が見送られています。
その後、カウントダウン作業以外の検証作業及び後処置作業が行われています。
機体のVABへの返送は2021年3月18日夕方が見込まれています。
写真は同日9時44分頃、竹崎展望台から撮影。


No.2391 :推進薬充填へ ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月17日(水)16時44分 投稿者 柴田孔明

2021年3月17日16時30分頃に連絡があり、H3ロケット試験機1号機の推進薬充填(総員退避)開始可否判断の結果はGOとのことです。
X時刻は、これまでの作業進捗を反映して3時間半後ろ倒して設定し作業を実施するとのことです。
(※上の投稿時間はサーバー内時間のため、実際の投稿時間と異なる場合があります)


No.2390 :H3ロケット試験機 極低温点検のための機体移動 ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月17日(水)08時45分 投稿者 柴田孔明

2021年3月17日6時51分〜7時36分(JST)に、H3ロケット試験機1号機の機体移動が行われました。今回の目的は打ち上げでは無く、点火直前までの極低温点検です。機体とSRB3は実機ですが、LE−9エンジンとフェアリングは試験用です。
 なお当初は6時30分頃から移動開始の予定でしたが、降雨もあって少し遅れています。また機体移動中も雨が降り続き、報道各社も撮影に苦労していました。


No.2389 :JAXA撮影の搭載電子機器部 ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)19時22分 投稿者 柴田孔明

JAXA撮影の搭載電子機器部(提供:JAXA)


No.2388 :前面ヒートシールドの公式画像 ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)19時21分 投稿者 柴田孔明

JAXA撮影の前面ヒートシールド(提供:JAXA)


No.2387 :さがみはらスイーツの贈呈式 ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)16時33分 投稿者 柴田孔明

なお式典では「はやぶさ2」や宇宙をイメージしたスイーツの贈呈式があり、とてもおいしそうでした。これらは「さがみはらスイーツ」で検索できるとのことです。


No.2386 :記念撮影と前面ヒートシールドなど ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)15時10分 投稿者 柴田孔明

 はやぶさ2プロジェクトチームとの記念撮影。右側に前面ヒートシールド(最も右)と搭載電子機器部(右から2番目で隠れ気味のもの)は機密保護などのためフィルムで覆われていました。このフィルムは報道撮影時のみで、一般公開時にはクリアな状態に開放されます。ただし一般見学時の撮影は禁止となっています。
 前面ヒートシールドは熱からカプセルを守るための機能を果たした後で脆くなってきており、初代でも巡回展示の途中からレプリカに置き換えられたそうです。本物を見たい場合、早めの展示会が良いと思われます。なお相模原市立博物館の展示については既に申し込みが締め切られております。次は2021年3月27日から予定されている国立科学博物館での展示ですが、こちらも予約制となっております。


No.2385 :パラシュート ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)15時07分 投稿者 柴田孔明

 パラシュートは直径3m程のもので、帰還時に捜索するためにレーダー波を反射するための工夫が見られます。見た目が大きいのですが、これもカプセルに収納されていたものです。


No.2384 :インスツルメントモジュール ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)15時06分 投稿者 柴田孔明

 インスツルメントモジュール。カプセル分離時に切断されたアンビリカルケーブルが確認できます。
 またメモリチップは打ち上げ前に応募されたメッセージを格納していたもので、帰還後に無事にデータの読み取りが行われています。


No.2383 :はやぶさ2の帰還カプセル公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2021年3月12日(金)15時04分 投稿者 柴田孔明

 2021年3月12日、相模原市立博物館にて小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還カプセル公開が始まり、その前に記念式典と報道公開が行われました。宇宙作家クラブもこの報道公開に参加しています。公開されたのは、前面ヒートシールド、搭載電子機器部、背面ヒートシールド、インスツルメントモジュール、パラシュートです。初代ではエンジニアリングモデルも展示されましたが、今回はありません。
 写真は背面ヒートシールドで、初代より焼け方が少し強いように感じられます。


No.2382 :H-IIAロケット43号機、打ち上げ後記者会見 ●添付画像ファイル
投稿日 2020年12月19日(土)00時30分 投稿者 柴田孔明

 「データ中継衛星1号機・光データ中継衛星」を搭載したH-IIAロケット43号機が2020年11月29日16時25分に打ち上げられ、衛星を正常に分離しています。新型コロナウイルス対策のため竹崎展望台に記者は入れず、Webで打ち上げ後記者会見が開催されました。回線の状態により聞き取れなかった部分がありますがご了承ください。
 (※一部敬称を省略させていただきます。写真は恵美之江展望公園より撮影)

・登壇者
 文部科学副大臣 高橋 ひなこ
 内閣官房 内閣情報調査室 内閣衛星情報センター 所長 宮川 正
 宇宙航空研究開発機構 理事長 山川 宏 
 三菱重工業株式会社 執行役員 防衛・宇宙セグメント長 阿部 直彦

・側面列席者
 内閣衛星情報センター 森下 企画課長
 内閣衛星情報センター 野田 管理部付調査官

・文部科学副大臣挨拶
 まず今回のロケット打ち上げ成功にあたり、ご尽力いただきました関係各員の皆様、そして地元種子島の皆様に心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。ロケット打ち上げ成功は世界に誇るべき記録です。H-IIAロケットとしては37機連続、そして基幹ロケットとしては50機連続の成功。これは日本のロケット技術の向上、また様々な信頼性を含めて世界にお示しできたと、大変嬉しいことでございます。そしてこのために努力をされました関係機関の方々に心から敬意と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。このあと直接投入された光データ中継衛星が予定された重要なミッション、こちらの方をしっかりと達成できるように文部科学省としてもサポートしてまいりたいと思っております。また基幹ロケットのさらなる安全性信頼性の向上や、次期基幹ロケットのH3ロケットの開発にも着実に取り組んでまいります。我が国の宇宙開発利用の発展に繋げていくよう、これからも努力をしてまいりますので、どうぞ皆様よろしくお願いします。今回の打ち上げにご尽力下さった皆様に心から感謝を申し上げます。

・登壇者挨拶(宮川)
 本日、H-IIAロケット43号機によりましてデータ中継衛星1号機・光データ中継衛星を所定の軌道に投入できました。地元の皆様をはじめとした関係機関のご支援ご協力に対し御礼申し上げます。今回、JAXA光データ中継衛星と相乗りで打ち上げたデータ中継衛星1号機は、情報収集衛星の10機体制を構成する衛星の一部であります。データ中継衛星を導入することで、情報収集衛星と通信可能となる時間帯が大幅に増加し、即時性の向上が見込まれます。我が国の情報収集態勢を着実に強化するため本衛星の打ち上げは非常に重要なものと考えております。今後データ中継衛星1号機の早期の運用開始に向けた所要の作業をしっかりと進め、我が国の情報収集能力がより強固なものとなるよう全力を尽くしてまいる所存でございます。

・登壇者挨拶(山川)
 三菱重工業殿より光データ中継衛星が所定の軌道に投入されたと伺いました。この先のミッション実現に向けた一歩目が踏み出せたことに安堵しております。三菱重工業殿をはじめロケット打ち上げを支えてくださる地元種子島の皆様、関係各位の皆様の多大なご尽力に感謝申し上げます。光データ中継衛星及び衛星に搭載された光衛星間通信システムLUCASは、低軌道を周回する地球観測衛星と地上受信局とのデータ通信を仲介する役割を担うものです。地球観測衛星が取得するデータは、安全保障や国土管理、気候変動対策など幅広い分野で活用が進み、多様なニーズが存在しています。データ自体が高精細化する中、リアルタイム性の向上かつ安定した取得が求められています。今後政府自治体等をはじめ、各方面における予兆防災の側面でも活用が増すと考えております。社会の要請、多様なニーズに応えるため光衛星間通信システムLUCASでは、通信時間の長時間化、即時性の向上とデータ伝送の高速化大容量化の技術獲得を目指します。今後JAXAとして光衛星間通信システムLUCASの立ち上げ、そして初期機能確認などを確実に進めてまいります。引き続き気を引き締めて運用に当たる所存です。

・打ち上げ結果報告(阿部)
 三菱重工株式会社及び宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターから令和2年11月29日16時25分00秒に内閣衛星情報センターと宇宙航空研究開発機構が共同で開発したデータ中継衛星1号機・光データ中継衛星JDRSを搭載したH-IIAロケット43号機を予定通り打ち上げました。ロケットは計画通り飛行し、JDRSを正常に分離、所定の軌道に投入したことを確認しました。ロケット打ち上げ時の天候は曇り、北西の風6.6m/s、気温14.3度Cでした。JDRSが軌道上での初期機能確認を無事終了し、所期の目的を成功裏に完遂されることを心より願っております。本日の打ち上げ成功でH-IIAは通算43機中42機の成功、成功率は97.67%になりました。H-IIBを合わせると通算52機中51機の成功、成功率98.07%です。またH-IIA、H-IIB46機連続の打ち上げ成功です。今年、また今年度最後の打ち上げとなりましたが、無事打ち上げる事が出来、大変安堵しています。特に今年度に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大により移動や作業はもちろん、日常生活にも不自由を伴う中、地元の方々をはじめ、関係いただいた皆様方には多大なるご理解ご支援ならびにご協力を賜りました。あらためて皆様に心よりお礼を申し上げます。今後とも皆様に安定した打ち上げを提供できるよう、今一度心を引き締め、細心の注意と最大限の努力を傾注してまいりますので、引き続きご支援を賜りたくよろしくお願い申し上げます。

・質疑応答
南日本放送・昨年度の打ち上げでは設備上のトラブルなどがあったが、今年度は天候不良以外はオンタイムでの打ち上げということで、この結果をどう受け止めているか。
阿部・昨年度から今年の初めにかけて設備関係に絡むような当日打ち上げ延期がございましたが、JAXA様も含め設備それから準備に万全を期すことができて、安定な打ち上げに移行してきたのかなと思っています。ただ、毎号機毎号機、次は何が起こるか判らないという気持ちで、我々としては引き続き安定的な打ち上げをできるようにしていきたいと思います。

南日本放送・情報収集衛星の10機体制に向けて今回の成功がどういった位置付けになるか。
宮川・現在内閣衛星情報センターでは情報収集体制4機を確立しております。将来的には計画の工程表に示されている通り10機体制を目指しておりまして、この内訳で言いますと、今回データ中継衛星ということで+1、体制としましては5機と言っても過言ではない体制を構築できたという風に思っております。さらに時間軸多様化衛星とかを上げていくと、更に10機体制に近づいていくと思います。

NHK鹿児島・光データ中継衛星の運用が始まるということで、地球観測衛星のデータが即時通信されることで、予兆防災という話もあったが、どういった活用を期待しているのか。また将来的に民間衛星のデータ中継を視野に入れているか。
山川・光データ中継衛星の光通信の運用がまさにこれから始まる訳ですけども、今後ALOS3とALOS4という先進光学衛星、先進レーダー衛星に光衛星通信用のターミナルを搭載して打ち上げる予定ですけども、そういった意味でデータ中継衛星と「だいち3号」と「だいち4号」との間でまず光衛星通信を確立したいという風に思っています。その結果としてそれらの衛星が、即時性かつ大容量高速通信を実現することによって、多様なニーズに対応していきたい。具体的には国土管理、気候変動対策、それから災害対応ですね、防災という観点から貢献していけるものと思っています。さらに今後のことを申し上げると、今後更に地球観測衛星で取得されたデータがどんどん大容量化していく。一方でニーズという観点から、例えば防災・災害対応という観点からできるだけ早くデータを提供することが使命となってくる訳です。その双方の観点から、今回の高速大容量な光データ中継機能というものが活用され貢献していくと考えています。現段階ではまだALOS3、ALOS4との間の光衛星通信を前提している訳ですけども、今後技術をさらに他の衛星にも展開していこということは考えていくべきことだという風に考えています。

NHK鹿児島・今年度最後の種子島でのロケット打ち上げとあったが、来年度に打ち上げ延期となったH3が控えている。それに向けてこれまでの積み重ねも含めてどのように弾みをつけていくのか。
阿部・打ち上げに関して申し上げますとH-IIAでもH3でも同じでございまして、基本的に最優先なのが打ち上げを成功させることということで、この度JAXA様からH3打ち上げ延期の話がございましたが、少しでも気にかかる所があればそれを確実に潰して打ち上げに臨むという所存でございます。従って我々もH3初号機の打ち上げに向けて、ひとつひとつリスクのあるところを潰していく活動を続けていきたいと思います。

・ブリーフィング(記者会見第2部)

・登壇者
 内閣官房 内閣情報調査室 内閣衛星情報センター 管理部付調査官 野田 浩絵
 宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 JDRSプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 高畑 博樹
 三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 副事業部長 打上執行責任者 田村 篤俊
・側面列席者
 内閣衛星情報センター 森下 企画課長

・質疑応答
読売新聞・16時58分にメールで衛星分離の連絡を受けたが、その時刻が分離時間で良いか。
田村・打ち上げ後約30分で衛星を分離しました。

フリー鳥嶋・かつてALOS2は「こだま」を使って通信の中継をしていたと思うが、「こだま」が退役してから現在は中継衛星を使わず運用されているのか。
高畑・現在は使っておりません。

フリー鳥嶋・今回打ち上げられた衛星を使って、ALOS2のような既存ミッションの通信を中継はできるか。
高畑・今回は通信に光を使うということで、ALOS3とALOS4には光通信用のターミナルを搭載して通信実験を行います。ALOS2などは光用のターミナルが載っていませんので通信はできません。

フリー鳥嶋・今後もALOS2の運用は続くが、中継衛星無しで運用されるのか。
高畑・その通りです。

フリー鳥嶋・現在はマイクロ波の通信が主流だが、将来的にレーザー光を使った通信が主流となってマイクロ波は無くなっていくとか補助的なものになるのか。
高畑・光の特性は大容量通信といったところで、これから伸びてゆく部分はあろうかと思います。ただそれによって電波がなくなることはだふん無いと思っています。電波の方でもいろいろ技術的な革新とかそういったことによって無くなるとは一概に言えないと思っています。ただ私共といたしましては、宇宙空間で今回光通信を実証して、この先の宇宙空間での宇宙インフラとして成り立つようにしていきたいという風に思っています。

フリー鳥嶋・「こだま」の運用終了時のプレスリリースで、ALOS2が「こだま」を使うことで非常に迅速に情報が手に入り災害等で役に立ったとの話があったが、そうすると今後当面はALOS3とALOS4が打ち上がって光通信が確立できるまでは、迅速に災害等の情報を手に入れるのは難しい状況がしばらく続くのか。
高畑・ALOS3にしてもALOS4にしても私共の光データ中継衛星と通信の技術実証と運用実証を行うという形で進めておりますので、なるべくそういったタイムラグ無く早く運用できるようにしていきたいと思っています。

南日本新聞社・今回相乗りした形で打ち上げられたが、それのメリットは何か。JAXAが開発した光通信のシステムが情報収集衛星にも取り込まれる計画はあるか。今の衛星の状態も教えて下さい。
野田・相乗りのメリットとしては、やはりコストを低減させることができることがある。JAXAの光通信を取り込むことは、現段階でそのような計画はございません。これからJAXAで技術実証されるものと承知しております。衛星の状況については今のところ順調と報告を受けています。

南日本新聞社・衛星静止軌道に届く日が具体的に判れば教えてほしい。
野田・一般的に10数日かかるということでご理解いただければと思います。

JST草下・コロナウィルスの状況の中での打ち上げが3回目となるが、いろいろな制約の中での打ち上げになっていると思うが、そういった状況の中で打ち上げを繰り返すことで、準備から打ち上げにかけて、やむを得ずこうしたということにより合理化できたとか、そういった発見はあったか。
田村・コロナ禍の中で3機目の打ち上げということで、我々は名古屋から種子島に出張させていただいて現地の皆様のご協力の下、打ち上げをさせていただいています。その中でやはりコロナということで、できるだけ種子島に渡る人数を少なくしようということで、そういった努力は重ねてきています。とは言っても信頼性を損なうわけには行かないので、データを見るところは名古屋側からリモートで見るとかそういうことで対応して、人数を削減して、かつ信頼性を損なわないと言うところが、結果的にはリモート的な業務が進むという点は良い方に繋がっているかもしれません。

共同通信・内閣衛星情報センターの中継衛星の開発費と打ち上げ費用の合計は213億円、JAXAの方は打ち上げ費用と開発費の合計は265億円とうかがったが間違いは無いか。
野田・間違いございません。
高畑・その通りです。

産経新聞・情報収集衛星の10機体制は、今回打ち上がったデータ中継衛星を含めての数か。
野田・おっしゃる通りでございます。現在までに4機体制を構築していまして、今回データ中継衛星が加わって5機目になるということでございます。

産経新聞・現在は光学の1機のみがデータ中継に対応していると伺っていますが、今後打ち上げていく情報収集衛星は中継衛星に伝送できる形になるのか。
野田・今後打ち上げる光学衛星レーダー衛星につきましては、データ中継機能を搭載していく計画となっています。

産経新聞・10機体制のうち中継衛星は今回の1号機にプラスして打ち上げられる予定はあるか。
野田・10機体制のうちデータ中継衛星が2機となってございまして、今後2号機を開発して打ち上げることになります。

以上です。


No.2381 :はやぶさ2の玉手箱 ●添付画像ファイル
投稿日 2020年12月15日(火)21時40分 投稿者 柴田孔明

小惑星探査機「はやぶさ2」カプセルのキャッチャーA室で確認された粒子。黒い粒々や粉っぽいものがリュウグウ由来と強く予想される。


No.2380 :小惑星探査機「はやぶさ2」カプセル回収前記者会見 ●添付画像ファイル
投稿日 2020年12月5日(土)00時00分 投稿者 渡部韻

2020年12月4日、JAXA宇宙科学研究所にて小惑星探査機「はやぶさ2」カプセル回収前記者会見が行われました。(※一部敬称を省略させていただきます)

【相模原会場】
JAXA宇宙科学研究所所長 國中均
JAXA宇宙科学研究所はやぶさ2プロジェクトチーム
ミッションマネージャ 吉川真
プロジェクトマネージャ 津田雄一

【ウーメラ会場】
オーストラリア宇宙庁長官 メーガン・クラーク
JAXA宇宙科学研究所副所長 藤本正樹

【挨拶】

今年2020年は人工衛星「おおすみ」を打ち上げてから50年、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」で深宇宙探査に乗り出してから35年目。深宇宙探査、惑星探査は難しく、これまでも沢山の失敗を重ねてきた。火星探査機「のぞみ」は火星に到達させることが出来ず、「はやぶさ」も予定の時刻通りに地球へ帰ってこられたわけではない。金星探査機「あかつき」も5年多く時間をかけてようやく金星に辿り着くという非常に難易度の高い領域であった。しかし「はやぶさ2」は我々が思い描いた通りのタイムラインをこなし、今まさに地球帰還を目指している。

我々が予定していた2020年12月に地球へ「はやぶさ2」を地球へ戻すという目標まであと2日で出来上がる。最後のあと一歩。ようやく我々も胸をはって惑星探査、深宇宙探査が出来るということを証明できたと思っている。ここまでご指導いただいた先達、宇宙科学研究所の先輩方に胸を張って我々の成果をお示しすることが出来るところまで辿り着いたが、あと2日残っている。ここを「はやぶさ2」チームが確実にこなしてくれると期待している。今日はお集まりいただきありがとうございます。(國中)

ここオーストラリア、ウーメラにおいて大変わくわくする特別な日を迎えています。オーストラリアの宇宙機関がこのような国際協力に参加出来るのは大変素晴らしい。JAXAの藤本氏を初めとするJAXAのチームにはサポートをいただき、またこちらもサポートしている。科学、宇宙開発において日豪は昔から協力的だったが今後もこの関係性を深めていきたい。まずはウーメラにカプセルが無事着陸し、全ての計画が順調に進むことを祈る。(クラーク)

【再突入カプセル回収準備状況】

12/1にTCM-4で4.6cm/sという非常に小さな噴射を行い、カプセルをどこに降ろすか精密に変更した。探査機は地球に近付くにつれて軌道の精度も上がるが、これに伴い着地点の予測も良くなるので、カプセルを待ち構えている回収隊のメンバーが回収しやすい場所に着地予想中心を変更するという目的もあり着地予想領域をTCM-3から南東に33km移動させた。

着地予定領域は150×100kmの楕円で非常に広大だが、探査機自身の飛んでいる場所は大気圏突入するまで直径1km以下(正確には数百メートル)のチューブの中を飛んでいるかのような、非常に高い精度を保っている。これはTCM-3の少し前から「はやぶさ2」を外乱抑止モード(噴射やガスが出る、姿勢変更など少しでも軌道が変わるような動作を行わない)で運用してきたことによる。ただ最後の風はコントロール出来ない。その為前述の広い着地予想範囲となっている。

「はやぶさ2」は現在DSN等も使って24時間追跡している。明日は10時半のリエントリ運用開始に向けて人が集まってくる。その後は

11:15JST:探査機の電源からカプセル内部電源へ切り替え
12:59JST:カプセル分離姿勢と飛行姿勢を両立出来るようなカプセル分離準備姿勢に移行
14:13JST:10度ほど小さく姿勢を変更してカプセルが正しく大気圏を飛行できるカプセル分離姿勢へ移行
14:30JST:カプセル分離が確認されたら、ただちに探査機が地球重力圏から逃げる為に探査機を180度近くぐるっと回してTCM-5姿勢へ
15:30-18:00JST:TCM-5

現在探査機は放っておけばウーメラの着陸区域に向かって飛行するが、TCM-5ではこの安全な姿勢を崩すので、探査機の安全やその時々の状況を豪州の安全担当官に説明して許可をもらってから実行する。ただしTCM-5はカプセル分離後すぐに行わなくてはならないので、許可自体は明日午前の探査機の健康状態を見て許可をもらい、その後の状況を見ながら判断していく。

14:28:27:カプセル大気圏突入
14:28:49-14:29:25:火球フェーズ、ここで速度は一気に3km/sまで落ちる
14:31-14:33JST:ヒートシールド分離・パラシュート展開
1447-1457JST:カプセル着地。着陸後カプセルの移動を防ぐ為にパラシュート切り離す

明日に向けて準備は万端。カプセルは既に電源を入れた状態で、カプセルの健全性は確認されている。カプセルを切り離す火工品などは1回しか使えない物で、当然これまで動かしたこともないので、正しく動くかどうかはこれまでの信頼性設計や打上げ前の開発状況によるものとなる。人間側は正しく動く、正しいことを行う訓練は整っているので万端の準備で明日を迎えたい(津田)

【カプセル回収の準備状況】

火球が見えたあとパラシュートが開くとカプセルからビーコンが出る。これを受信し、観測結果から着地点を推定、ヘリコプターで回収、QLFへ輸送するのが全体の流れ。12/1-2の本番と同じ時間帯に模擬カプセルを使ったリハーサルを行った。模擬カプセルはQLFから100mほどの場所までヘリコプターで運び、ハンドキャリーでQLFへ運んだ。

カプセルを回収する為には隊員が現地に来て色々活動しなくてはならない。ここに来る為には本当に様々な方々のサポートをいただいた。相模原市のサポートがあり、オーストラリア宇宙庁のサポートもあり、南オーストラリア州のサポートもあった。(藤本)

【地球スイングバイ後の観測運用】

探査機はカプセル撮像後、航法カメラおよび赤外カメラで地球・月を観測しキャリブレーション(較正)を行う。また航法カメラで南極上空の夜光雲を撮影し科学的な観測をしたい。

12/7-23にはLIDARを使った光リンク実験を行う。2015年12月の地球スイングバイの時にも行ったが、地上局から探査機に、また探査機から地上局へ打ったパルスレーザーを受信し、深宇宙におけるレーザーレンジング技術の発展につなげていきたい。協力する地上局はNICT(小金井)、オーストラリア(ストロームロ山)、フランス(グラース)、ドイツ(ヴェッツェル)の各観測所。(吉川)

【質疑応答:相模原会場】

◆ 回収の一方で様々なイベントも待ち構えているが、今の心境と意気込みは(NHK寺西)

幸い現在探査機は非常に順調。これまで慎重な運用が続いてきたので、それを支えてきてくれたプロジェクトメンバー、JAXA内外の方々、豪州の方々に感謝を申し上げたい。おかげさまで非常に良い状況で地球帰還の日を迎えられているので、最後の一日に詰まった沢山の運用を一つ一つ実施していきたい。その為の訓練は整っているので、あとは探査機の今まで動かしていない部分がちゃんと動いてくれること、オーストラリアの天気が良いことを祈り、私も楽しみにしている。(津田)

◆ 分離後のカプセル撮影はどう行われるのか、回収隊はどこに待機して、どう動くのか(日刊工業新聞富井)

探査機の姿勢を大きく変えて、側面のONC-W2を地球に向けて火球を撮影する予定だが、どんな絵が撮れるかはわからない。12/6中にはデータを降ろして確認したい(吉川)

ウーメラは東西方向に800km、南北方向に500kmほどの砂漠地帯になっていて、カプセルは100×30kmの楕円の領域に落ちてくる。その周辺10箇所ぐらいに数人のグループが点在し、それぞれが電波(ビーコンシグナル)を捉える人たち、マリンレーダーで観測する人たち、カメラで観測する人たちなど総勢40名ぐらいが様々な手法で観測する。そのデータは衛星回線経由でウーメラのHQへ報告され、カプセルが地上に落下し全ての安全が確認された段階でヘリコプターにより捜索する。ここまでは夜中の作業。その後、夜が明けたら回収隊が様々な機材を持って落下地点へ向かい、カプセル収容後ヘリコプターでHQに戻ってくる。(國中)

◆ 3人のプロマネ経験者の感想(とびもの学会金木)

「はやぶさ2」立ち上げ期に最初はチームリーダー、その後PMを担当した。15年前に「はやぶさ」がトラブルを起こし、その後すぐ「はやぶさ2」に向けた検討が始まったが、なかなかすぐにはプロジェクト化出来なかったこともあり、15年経ってこうした日が迎えられたことは感慨深い。(吉川)

製造フェーズでPMを担当したが、3年半ほどしか工期がなくてかなり厳しい、これを引き受けるのはきついな、というのが当時の心境だったが受けざるを得ないので担当した。製造中にも様々なトラブルがあり、1つ解決するとまた1つトラブルが発生するような3年半だったと記憶しているが、「はやぶさ」でサンプルリターンという探査がどういうものなのか、それがもたらす効果、成果を各メンバーが共感し共有していたことが大変大きな団結力、結集力を生み出したと思っている。

そういった「はやぶさ」の礎があったからこそ「はやぶさ2」は短い工期とたくさんの困難があったとしてもタイムラインを確実にこなし打上げまで辿り着けたと思っている。大変口の悪い人がいて 「『はやぶさ』は宇宙で奇跡を起こしたが『はやぶさ2』は地上で奇跡を起こした」と言われたことも強く記憶に止めている。(國中)

「はやぶさ」打上げ直前に宇宙科学研究所に入り「はやぶさ」の運用に携わってきた。当時新人だったので、そこで行われている運用、即断即決でどんどんすごいことが決まっていき、トラブルにどんどん対処していく、それでも悪いことが起きる……という状況を現場で経験し、色々吸収させてもらった。それを「はやぶさ2」プロジェクトが立ち上がったことで生かす場を与えてもらえたのはタイミング的に幸運だった。「はやぶさ」で経験したトラブルは全て修正し「はやぶさ2」では起こさない、という気持ちでやってきたが、その半分は運用で気をつけなくてはいけないこと。そこをしっかりやっていくことがPMとして心がけてきたこと。おかげさまでリュウグウ到着後想定以上の成果を上げられたと思っている。こうした形で地球帰還を迎えられたのはチームワークの賜物。

「はやぶさ」は満身創痍でありながら非常に精度良く着陸させた。「はやぶさ2」ではここをしっかりクリアし、「はやぶさ」で出来なかった拡張ミッションに進んでいきたい。こうして未来へバトンをつないでいきたい。(津田)

(ファンの多さは)うれしいが緊張する。打上げ前から応援してもらえる探査機は宇宙ミッションにおいてなかなか無い。その中でいい成果を見せられたことはホッとしている。「はやぶさ2」は明後日地球に帰還する。カプセル帰還は人類史上でもそうそう無いことなので、是非それを目の当たりにしてもらい、「はやぶさ2」がやってきたことを思い返していただき、次はこんな宇宙技術が出来る、こんな世界が開けるんだ、ということに思いを馳せていただきたい。(津田)

◆ 帰還は精密さを要求されると聴いたが、一番クリティカルだと考えている部分はどこか。22万キロという遠い場所で分離する難しさ、運用チームの今の雰囲気など(林)

22万キロで切り離す難しさは皆さんの想像と少しちがう。探査機は何も力が加わらなければ非常に正確に飛行できる。なまじ探査機があると勝手にスラスタを吹いたり姿勢を変更して軌道が変わってしまうので、カプセルを弾道飛行で飛ばすには探査機からなるべく早く分離したい。

ただカプセルを正しい軌道に乗せてから切り離さなくてはならないので、切り離すまでの2週間をかけて非常に精密に軌道計測をしてきた。ここが非常にクリティカルで、TCM-3の少し前から姿勢制御時に「スラスタを吹かない」セーフホールドモード(外乱抑止モード)で飛行していた。カプセル地球帰還が優先で探査機を生き残すことが最優先では無いという認識の元で絶対に外乱を起こすなという運用をしてきた。これが功を奏してきれいにスラスタを吹くこと無く飛行し軌道計測がうまくいき、TCM-3とTCM-4という非常に限られた形で軌道修正を行うことが出来た。

22万キロという距離そのものはクリティカルではない。クリティカルなのはカプセル分離からTCM-5にかけて。中1時間しかない中でカプセル分離をきちんと確認してからTCM-5に移行しなくてはならないので、緊張を強いられるところ。プロジェクトメンバーは非常に良い状態。緊張感でそわそわしている状況ではあるが、皆さん自分の役割を意識して分単位で作業している。非常に良い雰囲気で明日を迎えようとしている。(津田)

【ウーメラ会場】

(聴取困難)

あるとしたらの想定外。カプセル分離後にTCM-5を行うが、カプセルが分離しなかった場合、カプセルが分離するまで分離コマンドを何度も試みる。これを行うとTCM-5を行う余裕が無くなる。TCM-5は安全が確認されてからオーストラリアの許可を得て行うが、それが出来なかった場合の「安全」は「はやぶさ」同様探査機もカプセルと一緒に大気圏突入させる。これは本当に苦渋の選択だがカプセルが分離出来なかった場合はそういう選択肢もあり得る。(津田)

無くなってしまうことはないと思うが、見つけられないことはあるかもしれない。カンガルーが持っていくかもしれない。コントロール出来ることとコントロール出来ないことがあり、後者で一番の懸念は天候。今も(やっても仕方ないが)一時間ごとに天気予報をチェックしているが、今のところ天気良さそうなので運がいいと思っている。

カプセルはパラシュートが開くとビーコン信号が出る。一番良いのは飛行中にビーコンを捉えること。着地後も数時間ビーコン信号を出すのでこれを頼りに捜索する。またパラシュートが開いたらレーダーで反射波を拾える。パラシュートが開かなかったらハードランディングになってしまうが、事前の光学観測で落下場所は予測出来るかもしれない。またドローンで地上をたくさん撮影して落下後のカプセルを見つけるフェイルセーフも準備している。(藤本)

【オンライン】

◆ もしカプセルが分離出来ない場合、カプセルの健全性は(月刊星ナビ中野)

分離が遅れただけでカプセル自身はきちんと動作していて大気圏突入後パラシュートを開いてくれれば緩降下するのでカプセルは損傷すること無く回収出来る。分離に根深い問題があってカプセルも動かなかった場合はパラシュート展開も出来ず地上に激突する。こういう事例は過去にNASAの探査機でもあるが、そういう状態でも我々は努力する。だが大丈夫です、というわけれはない。(津田)

【相模原】

◆ TCM-3で360万km彼方から±10kmを狙うのは1km先のテントウムシを狙うようなものだという例えがあったが、カプセル分離の難しさを何かに例えられるか。また分離後のカプセルに進路調整の余地はあるのか(ニッポン放送畑中)

今はその1km先のテントウムシの心臓を……心臓ってあるんですかね?じゃあ星、ナナホシテントウの真ん中の星を狙うぐらいの精度が出ていると考えていただければと思う。またカプセルの進路調整は出来ない。その先どう飛ぶか読み切った上で切り離し作業を行う。この読み切るという作業は今朝終わった。その読み切った先が100×150kmの範囲。偏西風や地表近くの風の予想もあるので、それも加味して真ん中を狙った。(津田)

◆ 当時39才だった津田さんにPMを引き継がれたが、2回目のタッチダウンの葛藤なども含めて「はやぶさ2」チームがどう育ったか(読売新聞中居)

「はやぶさ2」には若手を重点的に投入し、特に近傍探査のフェーズでは多くの若手の人間を入れた。その意図はMMXやDESTINY+という更なる深宇宙探査を実行するために「はやぶさ2」を教育現場として、経験を積ませるということを主眼に人材配置した。そろそろ中堅になってくる彼らが力を発揮してくれることを期待して配置した。

JAXAは国立研究開発法人であり宇宙機を開発することが大きな目的。JAXAの本来業務は物を作ることであり、プロジェクトを立ち上げると生じるPDR、CDRなど様々な審査をどれだけこなしたかがエンジニアの価値になる。運用フェーズは本来業務とはちょっと違うが、運用現場を知らないと宇宙機を作った時のモチベーションには雲泥の差があると思う。「はやぶさ2」で経験を積んだ若手エンジニアがJAXAの事業に貢献してくれると期待している。

2回目のタッチダウンでは議論があったが、120点満点の成功をとるのか、60点そこそこの点数で安全煮帰ってくるのかはプロジェクト遂行の上での大きな判断ポイントだと思う。ただ闇雲に宇宙探査がしたくて進めるのでは無く、私の期待した通り、理詰めで定量的な確度の高い状態に持っていってくれたのでGOを出した。理詰めで物事を運び定量的に成果を示すことが出来るかを彼らが学んでくれたのだと思っている。(國中)

究極の判断が迫られた際にきちんと精査され、JAXA内だけでなく外も巻き込んで「挑戦するところは挑戦する」「守るところは守る」正しい判断が出来ることが重要だと思っている。その時は私も苦しかったが、結果として宇宙科学研究所は…JAXAは良い判断に辿り着けたと思っている。ありがとうございます。(津田)

◆ サンプル分析にどのくらいの研究機関が関わるのか

基本的にはグループを作った上で初期分析を行い、概要をレポート後、研究提案を募って価値の高いと思われる研究に粒子を配るAO方式で分析を進める。たくさんサンプルを持ってきたならば皆さんに配りたいが、恐らくほんの少しと思われるので有望な研究提案に渡していきたい。また、すぐさま粒子を消費するのでは無、未来の高精度な分析技術に託す為に40-50%は保管する。これは「はやぶさ」の試料も同様。(國中)

◆ 明日の運用に向けた験担ぎ、どういった心境で挑むのか(荒舩)

管制室の大きなダルマがあるので運用前に目を入れる。うまくいったらもう一つの目を入れる。クリティカル運用の時にはトンカツを食べるとかやっていたが、今回は絶え間なく運用をやっているので、そういう時間があるかどうか検討中。(津田)

◆ 夜が明けてから回収するのは安全を考慮してなのか

現地は荒野で道路もほとんど走っていない、野生生物もたくさんいるので夜中の移動は大変危険。(國中)

◆ カプセル分離のGOの前提(共同通信須江)

ボタンを押したら分離……というわけではなく、何時何分に分離というコマンドを打つが、これは数日前に打っておくのではなく、当日状況を判断しながら実行していく。リアルタイムと事前に入れる物の中間のような感じ。1時間〜30分、短いときで10〜15分後に起こることを入力していく。

分離までには様々なチェックポイントがある。現在はアンビリカルを介してカプセルの中の状況が探査機から見えるが、分離時にはまずこのアンビリカルを切らなくてはならない。この電線が切れたことを確認してから分離する……など沢山の段階があり、その度にGO/NOGO判断を行う。

分離が出来たという判断は5〜10分でわかればよいと思っているが、20〜30分かかっても判断はきちんとしていく(津田)

◆ TCM-5後のカプセル撮像、LIDAR実験の意味(秋山)

カプセル撮像はTCM-5後何かしたい、火球を撮れたらカッコいいよね、というのがきっかけ。解析したいというニーズから来たわけでなない。撮影出来たとしてもどう映るかは読めないが、こういう中で研鑽を積んできたサイエンスチームと運用計画チームが力を合わせるとどこまで出来るのか試す絶好の場だと思う。こういうチャンスがあるとやらないではいられない、という人が「はやぶさ2」チームには多いので、リスクの無い範囲でやれることはやろうと、ということになった。(津田)

リュウグウ着陸時より桁違いに長い距離で光を受けることにより、将来的に光を使ったレンジングを深宇宙まで持って行けないか、という実験。また光通信も当然有り得るので、将来的に深宇宙で使えないかという実験でもある。前回の地球スイグンバイでは600万kmの距離で地上から打ったレーザを「はやぶさ2」で受けている。今回は更に「はやぶさ2」から打ったレーザも地上で受けられないか、両方向を試してみる。拡張ミッションそのものには効果は無いが、将来に向けた新しい技術につながると考えている。(吉川)

【ウーメラ会場】

意味も無く一時間に一回天気予報を確認していますが、天気はGOです。(藤本)


No.2379 :H-IIAロケット43号機の打ち上げ ●添付画像ファイル
投稿日 2020年11月29日(日)19時43分 投稿者 柴田孔明

H-IIAロケット43号機は2020年11月29日16時25分(JST)に種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載されたデータ中継衛星1号機・光データ中継衛星を正常に分離しています。
画像提供:三菱重工


No.2378 :H-IIAF43 第2回判断
投稿日 2020年11月29日(日)06時25分 投稿者 柴田孔明

2020年11月29日06時15分頃に三菱重工より連絡があり、H-IIAロケット43号機の第2回のGo/NoGo判断会議の結果はGoとなりました。ターミナルカウントダウン作業開始可と判断されています。
(※投稿時間はサーバー内時刻で、現状で1時間ずれています)