宇宙作家クラブ
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No.199 :こんどはカメラが故障
投稿日 2000年10月15日(日)03時08分 投稿者 江藤 巌

 ディスカヴァリーでは、TVの中継システムに続いて、こんどは国際宇宙ステーション(ISS)の組立に決定的に重要なカメラと人工視覚システムが故障してしまった。
 故障はまさに若田光一宇宙飛行士が、ロボット・アーム(RMS)でZ1トラスを持ち上げようとしているときに起こった。原因は電気系統のショートで、宇宙視覚システム(Space Vision System)とカーゴ・ベイのカメラが停止した。部品を交換してSVSは機能を回復したが、カメラは修理不能である。
 オービターのコクピットからではカーゴ・ベイに置かれたZ1トラスが見通せないため、SVSとカメラは組立作業に決定的な重要性を持つ。その欠如を補うため、ロペス=アルジェリアMSがISS側に入って、若田MSにZ1トラスの状態を口で伝えることになった。
Z1トラスをロボット・アームでカーゴ・ベイから持ち上げる作業は、故障発生のために計画より2時間以上も遅れて開始されている。

No.198 :国際宇宙ステーションに入室
投稿日 2000年10月14日(土)16時18分 投稿者 江藤 巌

 STS-92ステイタス・リポート#5

 Kuバンド・レーダーの故障にも関わらず、ディスカヴァリーと国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングはまったく予定通りに進行した。ドッキングの正確な時刻はアメリカ中部夏時間(CDT)13日12時45分15秒(17:45:15GMT)、日本時間(JST)では14日2時45分15秒である。ディスカヴァリーはユニティ・ノードにドッキングしている。
 1530CDT(0530JST)にはロペス=アルジェリア(MS)がユニティのハッチ開放に取りかかり、1615CDT(0615JST)にユニティの内側のハッチが開いた。まずISSに入室したのはディスカヴァリーの機長(CDR)のダフィで、ロペス=アルジェリアが続いた。さらにチャオ(MS)、メルロイ(PLT)もISSに入った。
 彼等がISSに荷物を運び込んでいる間に、若田(MS)はディスカヴァリーのコクピット後部で、マッカーサー(MS)を助手にロボット・アームを操作して、カーゴ・ベイ内を点検した。
 Kuバンド・アンテナは修理不能と判定され、TDSRを経由したTVの生中継は不可能となった。しかしSバンドの直接リンクは生きているので、地上局のカバー範囲ならばTV中継も可能だし、ビデオ画像を送信することも出来る。ただし連続した送信は数分間ずつで、それ以外は齣落としになってしまう。
 乗員の就寝は2117CDT(15日1117JST)、起床は15日の0517CDT(1917JST)の予定である。

飛行4日目のミッション内容
 4日目にはいよいよZ1トラスのISSへの取り付けが行われる。若田MSの腕の見せ所である。
NASDAに寄せられた質問に対する若田MSの軌道上からの回答同じく打ち上げ前の回答

註:CDR:Commander(機長、船長)
  PLT:Pilot(パイロット)
  MS:Mission Specialist(ミッション・スペシャリスト)

No.197 :ディスカヴァリーと国際宇宙ステーションがドッキング
投稿日 2000年10月14日(土)02時47分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトル・ディスカヴァリーと国際宇宙ステーション(ISS)は、
ヒューストン時間13日12時46分、モスクワ時間同20時46分、日本時間14日2時46分にウクライナ上空でドッキングに成功した。
ディスカヴァリーは、日本時間2時半頃にアフリカ大陸西端のあたりでロシアの地上局との交信を確立。
アメリカ、ロシア双方の管制センターからのドッキング”ゴー”の指示を得て、ISSへの最終的な接近に移った。
ドッキングは地球の影になる夜の領域で行われた。

No.196 :ロシアが航法衛星打ち上げ
投稿日 2000年10月14日(土)01時27分 投稿者 江藤 巌

 ロシアは13日の1412GMT(日本時間23時12分)に、カザフスタン共和国のバイコヌール基地から、プロトンKでGLONASS(Global Navigation Satellite System)航法衛星を3機同時に打ち上げるのに成功した。
GLONASSは、アメリカのナヴスターGPS(Global Positioning System)に相当する航法/位置測定(測位)衛星システムで、円軌道上の複数の衛星からの信号を受信して、その時間差から現在位置を割り出す方式である。GLONASSの打ち上げは1980年代にGPSに対抗して始められ、ソ連崩壊後もロシアは毎年3機ずつ補充の衛星を打ち上げ続けている。

 ロシアは15日にもバイコヌール基地から、ソユースUでプログレスM1無人補給船をミール宇宙ステーションに送る計画である。この打ち上げはミール社の資金で行われる。

No.195 :ディスカヴァリーまもなく国際宇宙ステーションとのランデヴー
投稿日 2000年10月13日(金)23時50分 投稿者 江藤 巌

 ディスカヴァリーの飛行3日目。乗員はシンディ・ローパーの”ガールズ・ジャスト・ウォント・トゥ・ハヴ・ファン”で目覚めた。
飛行3日目のハイライトは国際宇宙ステーション(ISS)とのランデヴーとドッキングで、ドッキングはグリニッジ平均時(Greenwich Mean Time)1746時(日本時間14日午前2時46分)頃の予定である。
起床の時点では、ディスカヴァリーは1周ごとに約500kmずつISSに近づいていたが、なんどかのエンジン噴射で接近率を徐々に下げて行き、最終的にはほどんど両者の速度は一致する。
ランデヴー/ドッキングにはマイナスRバー(−R bar)と呼ばれる接近方式が採用される。
これはシャトルが目標の下側(低高度)から接近する形になるもので、ディスカヴァリーはいったんISSの約180m下に潜った後、その約100m前に出て、ISSの回りをぐるりと半周してから、13日1605GMT(14日午前1時5分)頃にその約75m上に出る。それから手動操縦で徐々に接近して、最終的には毎秒3cmの接近率でにじり寄るようにドッキングする。ドッキングはウクライナの上空で行われる予定である。
TV中継アンテナを兼ねたレーダー・アンテナが故障しているため、ISSとの接近率の測定には手持ちのレーザー・レンジファインダー(測距機)が用いられよう。
ドッキングした後は、ISSへの第1回目の入室が行われる。
宇宙開発事業団(NASDA)飛行3日目のミッション概要
NASAのディスカヴァリーとISSの現在位置表示
NASDAのディスカヴァリーとISSの位置情報。ただし時計に注意されたい。現在時刻が実際より1時間早くなってしまっているので、軌道上の位置が約2/3周先行している。

No.194 :ミール社株式公開
投稿日 2000年10月13日(金)17時14分 投稿者 江藤 巌

 オランダ法人のミール社は、来年早々にもニューヨーク(NASDAQ)、ロンドン、シンガポールの株式市場で、株式の公開を行う予定である。 SPACE DAILYの記事ミール社の発表
これはミール宇宙ステーションの活動を継続する資金を市場で得るためで、同社では1億1700万ドルの調達を目論んでいる。
 同社が募集した民間人宇宙旅行者第一号のアメリカ人デニス・ティトー氏は、すでに来年初めのミール行きに向けた訓練中である。またアメリカのNBC放送が、ミールを最終目的地としたテレビ番組を製作する話も進んでいる。
 一方でロシア政府は、ミールを廃棄する決意を固めたようである。SPACE DAILY。ただしこの方針は利害関係機関の承認を得てはおらず、廃棄決定までにはまだ紆余曲折がよそうされる。現在はミールの運用予算は来年の春までしか確保されておらず、それ以降の運用は白紙となっている。

No.193 :STS-92ステイタス・リポート#3
投稿日 2000年10月13日(金)12時55分 投稿者 江藤 巌

 STS-92ステイタス・リポート#3(10月12日 8p.m.CDT)
 ディスカヴァリーの乗員は、宇宙での最初の丸1日を過ごしながら、国際宇宙ステーション(ISS)とのランデヴーに備えている。
通信システムの不調でTVの生中継に支障があるほかは、ディスカヴァリーのシステムに異常はない。
Kuバンド通信システムの故障の原因については分析中。Kuバンド通信システムは15,250MHzから17,250MHzの帯域を使用し、追跡データ中継衛星(TDRS)を介して地上と通信を行う。Kuバンド通信システムのアンテナは、Kuバンド・ランデヴー・レーダーと共用である。
ISSとの間隔は約2,700kmまで詰まり、なお1周に約320kmの割合で接近中である。ブライアン・ダフィ(CDR)とパメラ・メルロイ(PLT)はディスカヴァリーのエンジンを適宜噴かしながらISSとの接近率を調整し、13日の中部夏時間午前9時9分(日本時間14日午前1時9分)には最終接近段階に入る。距離は約15kmで、こここからスラスターの微妙な噴射を繰り返しつつゆっくりとISSに接近、午後12時45分(午前4時45分)にISSとドッキングする予定である。
飛行2日目、若田光一宇宙飛行士はロボット・アームの作動を検査、またアームの先のカメラを使って、カーゴ・ベイに搭載されているペイロードに異状がないかどうか点検する。
宇宙飛行士の就寝は午後9時17分(14日午後1時17分)、起床は午前4時17分(午後8時17分)の予定。
 現在のディスカヴァリーの軌道は遠地点高度378km、近地点高度303kmである。

No.192 :ディスカヴァリーのTVアンテナ故障
投稿日 2000年10月13日(金)09時52分 投稿者 江藤 巌

 ディスカヴァリーのテレビ中継に用いられるアンテナが故障して、国際宇宙ステーション(ISS)の組立作業が軌道上からリアルタイムにTV中継出来ないおそれがでてきた。YAHOO! NEWS
13日早朝には森総理大臣と若田光一宇宙飛行士が交信したが、若田宇宙飛行士の画像はきれぎれにしか送られず、一部は写真で代用された。
故障したアンテナはランデヴー・レーダーも兼用しているが、NASAではランデヴーには他の手段もあるので、ISSの組立ミッションそのものには支障はないとしている。

No.191 :APU
投稿日 2000年10月13日(金)01時56分 投稿者 江藤 巌

 笹本祐一特派員が書いているAPU(補助動力ユニット)について。
 APU(Auxiliary Power Unit)は、名前は補助だが、シャトルの離昇時と再突入、着陸時には欠くことの出来ない動力源である。APUはオービターのメイン・エンジンのジンバルやバルブの制御、舵面の制御、降着装置の引き下げ、車輪ブレーキ、前輪の操行などの動力となる油圧を供給する。
APUは、ヒドラジン(N2H4)を分解して生ずるガスでタービンを回して、その力(135馬力相当)で油圧ポンプを駆動している。オービターの後部には3基のAPUが搭載されているが、各系統は独立しており、1基だけでも十分な油圧を供給できる。
 オービターのAPU及び油圧系統に関しては、プレス・キットのAPU/HYDからダウンロードすることができる。
ただしpdf型式なので、Adobe Acrobat Readerが必要である。Adobe Acrobat Readerは無料でダウンロードできる。

 ちなみに軌道飛行中のオービターは、一切のシステムを電気で動かしている。
オービターの電気は、酸素と水素を結合させて電気と水を取り出す燃料電池から供給される。プレスキット電気系統(pdf)

No.190 :STS-92宇宙飛行士起床
投稿日 2000年10月12日(木)23時57分 投稿者 江藤 巌

 シャトル・ミッション・ステイタス・リポート#2
現在ディスカヴァリーは国際宇宙ステーション(ISS)よりも10,000km後方にあり、1周ごとに約1,100kmずつ距離を詰めている。
 乗員は午前7時17分(日本時間午後9時17分)に目覚めた。起床の音楽はStrawberry Alarm Clockの”Incense And Peppermint”。これは映画「オースティン・パワーズ」から。乗員の中にこの映画のファンがいるようだ。
今日はISSの建設作業に備えて準備をする日で、若田光一宇宙飛行士は自分の担当するマニピュレイター(ロボット・アーム)を点検、他の4人のミッション・スペシャリストは機外活動(EVA)に備えて宇宙服を点検する。
なおこのステイタス・リポートは、NASAに申し込めばeメイルで自動的に受け取ることが出来る。
申し込み方法は上記のリポートの末尾に書かれている。
STS-92のフライトプランはここからダウンロードできる。

 172の書込みとも関連するが。
飛行中のスペースシャトルと、国際宇宙ステーション(ISS)の現在位置が、NASAのこのサイトで同時に見て取れる。
これはシャトルとISSのテレメトリー・データを処理してグラフィックに表示しているもので、シャトルの現在位置(緯度・経度)ばかりでなく、飛行高度や速度、姿勢、機内環境(温度・湿度・気圧)まで表示されている。
またシャトルとISSの軌道要素に関しては、ここから入手できる。

No.189 :打ち上げ前後のちょっとした問題
投稿日 2000年10月12日(木)22時38分 投稿者 笹本祐一

 順調に打ち上げられたように見えた今回のシャトル打ち上げだが、やはり細かいトラブルはあったらしい。
 発射三〇分前に発射管制センターの端末の一つがエラーが続出したので放棄、予備に切り換えたそうだし、発射数十秒後にはシャトルの第2APUの冷却システムが誤作動したためにシャットダウン、これは帰還一日前に再起動してみるそうである。

No.188 :宇宙飛行士は睡眠タイム
投稿日 2000年10月12日(木)16時01分 投稿者 江藤 巌

 NASAジョンスン宇宙センター(JSC)の10月11日付STS-92ミッション・コントロール・ステイタス・リポート#1。現在ディスカヴァリーは高度約300kmの円軌道上にある。
 スペースシャトルは11日の午後6時17分(註)に打ち上げられた。打ち上げの頃に国際宇宙ステーション(ISS)は、インド洋のインドの東上空を飛んでいた。
宇宙飛行士達が軌道に乗って最初に行ったのは、ディスカヴァリーのカーゴ・ベイのドア(内側に機内の熱を放出するラジエーターがある)を開いて、上昇飛行管制官ウェイン・ヘイルから「ゴー」の確認を得ることであった。
乗員は午後11時17分(日本時間12日午後1時17分)から8時間の睡眠に入る予定で、起床は12日の午前7時17分(午後9時17分)になる。iSSとのドッキングは13日の午後12時43分(日本時間14日午前2時43分)の予定である。
若田宇宙飛行士の夕食。
 シュリンプカクテル (R)
 チキンライス (R)
 マカロニ&チーズ (R)
 イタリアンベジタブル (R)
 トレールミックス(IM)
 グレープフルーツジュース(B)

註:打ち上げはケネディ宇宙センター(KSC)のあるフロリダ州の東部夏時間(EDT)で表されていたが、これからのミッションはJSCのあるテキサス州の中部夏時間(CDT)で表される。CDTはEDTよりも1時間遅く、日本時間とは15時間の時差がある。

宇宙開発事業団(NASDA)の打ち上げ発表
NASDA理事長談話
NASDAのSTS-92詳細(日本語)
NASDAデイリー・レポート
飛行一日目のミッション内容
飛行2日目のミッション内容

No.187 :ディスカバリー、夜と夕暮れの間の上昇
投稿日 2000年10月12日(木)11時49分 投稿者 笹本祐一

 今回は日没直後の打ち上げだったため、地表付近では夜空の中を上昇して行ったシャトルが、上空で地球の影から飛び出し、噴煙の上端を太陽光のプリズム効果で赤く染めながら昇って行くという、滅多に見られない打ち上げとなった。
 打ち上げ終了後、すっかり暮れた空を見上げると、はるか上空、通常なら雲など出来ない超高空に残った噴煙が太陽光を受けて夜空に真っ白に光っていたりして、なかなか幻想的な風景でした。

No.186 :ディスカヴァリー軌道変換 ●添付画像ファイル
投稿日 2000年10月12日(木)09時21分 投稿者 江藤 巌

 離昇から約1時間。ディスカヴァリーは地球を約2/3周したことになる。

 ディスカヴァリーはOMS(Orbital Maneuvering System)を噴射して、近地点85km、遠地点372kmの軌道に移行した。この後も軌道をこまめに修正しながら国際宇宙ステーション(ISS)に接近して、予定では10月13日午後1時43分(日本時間14日午前2時43分)にISSとランデヴーする。
 今回のミッション、STS-92/ISSフライト3Aのハイライトは、ITS(Integrated Truss Structure)Z1と呼ばれるトラス構造のISSへの取り付けである。ITS Z1はこれからのISS拡張の骨組の基礎となる。若田光一宇宙飛行士は、シャトルのマニピュレイター・アーム(ロボット・アーム)を操作して、大きなITSをISSに結合することになる。

 改めてスペースシャトルのこれまで100回のミッションをまとめておく。
OV-102コロンビア(Columbia)     1981年4月初飛行 26回
OV-099チャレンジャー(Challenger) 1983年4月初飛行 10回(1986年1月喪失)
OV-103ディスカヴァリー(Discovery) 1984年8月初飛行 28回
OV-104アトランティス(Atlantis)   1985年9月初飛行 22回
OV-105エンデヴァー(Endeavour)  1992年5月初飛行 14回




No.185 :ディスカヴァリー衛星軌道に
投稿日 2000年10月12日(木)08時28分 投稿者 江藤 巌

 ディスカヴァリーは離昇から約8分でメイン・エンジンを停止して、
無事に衛星軌道に乗った。
シャトル通算100回目の打ち上げが成功し、
シャトル通算99回目の宇宙飛行が始まった。